小泉氏は安倍政権の原発再稼働政策も、強く批判した。再稼働の前提となっている、2013年7月に施行された安全対策の新規制基準について、
「政府は安全と言っている。しかも『日本の安全基準は世界で一番厳しい』と言っているんですよ。そう言いながらアメリカ、フランスの原発に比べて、日本の原発の安全基準のどこが厳しいのかということを、一つも説明していないじゃないですか! 一番厳しいのだったら国民に説明があってしかるべきでしょう。何もないんです。それで、また再稼働させようとしている。呆れてしまいますね」
と、ここでも「呆れる」を連発。さらに、原発へのテロの危険性についても警鐘を鳴らした。
「世界の人は皆言っていますよ。『日本の原発は一番テロに弱い』と。テロであのアメリカの貿易センタービルみたいなことをやられたら、原発はおしまい。この福島どころでは済まない」
講演終了後も“小泉節”は止まらない。報道陣から安倍首相のエネルギー政策について問われると、かつて自分が取り立てた部下を、皮肉交じりにバッサリと切り捨てた。
「総理もいろいろだからね、わかんないよ」
「(再生可能エネルギーの普及促進を)やればできるのにやろうとしない。それにつきるよ。洞察力が足りない。判断力が落ちているんだよ」
(本誌・小泉耕平)
※週刊朝日 2015年3月27日号より抜粋