

※「手術数でわかるいい病院2015」購入はこちら
NHK時代の同期であるキャスターの大塚範一(おおつか・のりかず)さん(66)と池上彰(いけがみ・あきら)さん(64)。「池上」「大塚」と互いを呼び合う間柄の二人が、縦横無尽に語り合った。
* * *
池上:それにしてもあなたがNHKを辞めたときは驚いたけどね。
大塚:どうして?
池上:今でこそNHKのアナウンサーが辞めて民放行くっていうのは……。
大塚:いや、相変わらずないよ。そんなに。
池上:やりたかったスポーツがやれなくなったから、辞めたっていうこと?
大塚:「クイズ百点満点」(注1)っていう番組を6年くらいやって、もう完全にスポーツから離れててね。そんなにスポーツアナウンサーにこだわっていたわけではないんだけど、オリンピック放送だけはやりたかった。このあとスポーツアナウンサーでやっても、いちばんいい時期にオリンピックをやってないっていうのは、もう挽回不可能なわけですよ。
池上:んー、なるほどね。仕事での挫折ってこと?
大塚:挫折よ。百点満点が終わるときにスポーツのデスクに呼ばれて、「スポーツは無理だから、あなたは芸能を担当してくれ」って言われて、歌謡ショーを内示されたんだよね。えーって。歌は決して嫌いじゃないけども、俺は演歌歌手にヨイショするような話はできなくてね。
池上:なるほど、宮本隆治とは違うと。
大塚:あっはっは! 俺が言ったんじゃないよ、いま!
池上:池上が言いました、はい。大塚は笑って何も言わず、と。
大塚:そのタイミングでフジテレビから自宅に直接電話があって、情報番組(注2)やるからやってくれないか、って言われてすぐに飛んじゃったんだよね。
※注1 1988年から94年まで放送された情報クイズ番組。大塚さんが司会を務めた
※注2 フジテレビの情報番組「めざましテレビ」
※週刊朝日 2015年3月13日号より抜粋