奥さまが正真正銘の“一般人”だという中井貴一さん。林真理子さんとの対談で、中井貴一流お正月の過ごし方と、女性観について伺った。
* * *
林:お忙しいそうですが、お正月、休みはとれるんですか。
中井:正月はいつも何もしないんです。
林:奥さまとお二人で海外に行くとか。
中井:正月は絶対行かないです。みんなハワイに行ったりしますが、いちばん空いている東京にいるのが好きですね。でも、14年の正月は「柘榴坂の仇討」の撮影でたまたま1月3日から京都だったんです。初めてです、三が日に仕事をしたのは。
林:京都のお正月、いいじゃないですか。
中井:映画って、クランクインのときに撮影の無事を祈って必ずお参りをするんですけど、みんな「あけましておめでとうございます」ってやってるのに、(祝詞の口調で)「作品の無事を~~ォ」みたいな感じで祝詞をあげてもらいました(笑)。
林:撮影の合間に祇園に行ったり?
中井:店はたくさん知ってますけど、撮影してるあいだはいっさい行かないです。時代劇って扮装に時間がかかるし、扮装を取ってシャワーを浴びると、出かけるのが面倒くさいんですよ。疲れてるし、「もう寝るしかねえ」となりますから。林さんは好きですよね、京都。
林:大好きなんです。私だったら毎晩どこかで遊んじゃうけど。
中井:でも、書かなきゃ出られないでしょう。
林:もちろんそうですけど、そんなのどうでもよくなっちゃうかも(笑)。でも撮影中、奥さまに会えないのがちょっとつらいですね。
中井:それは思わないです。仕事ですしね。お互いにそうだと思います。
林:奥さま、まだ勤めてらっしゃるんですか。
中井:前とは別のところですけど。
林:すごい話ですよね。中井さんみたいなスターの奥さんがふつうのOLしてるって。
中井:そうですか? 俺は女の人が働いていたほうが自信になるというか、俺に気兼ねなく自分で自由になるお金があるというのはいいんじゃないかと昔から思ってるんですよ。
林:素晴らしいです。
中井:林さんもご自分のお金で好きなもの買われるでしょ? 「これ、買っていい?」と聞くより……。
林:自分で買うのもいいけど、旦那さんにお金があるほうがもっといいです(笑)。芸能人が結婚すると、奥さまは「一般人」って言っても、みんな元タレントさんだったりお天気お姉さんだったりするけど、中井さんの奥さんは正真正銘の一般の方ですよね。
中井:まったくの一般人です。
※週刊朝日 2015年1月2-9日号より抜粋