16人の東大女子が、ハロプロアイドルになりきって踊る。それが、東大ハロプロ同好会だ。
モーニング娘。など、つんく♂プロデュースのアイドルユニットの総称「ハロー!プロジェクト」のコピーダンスをするユニットで、約1年前に結成された。基本的に口パク、曲に合わせ、同じ振り付けで踊る。半数が4年生で、文学部に法学部、工学部、医学部もいる。
11月22日と24日の2日間、東大駒場祭の野外ステージに、ハロプロ同好会が登場した。
22日のステージは、℃-uteの「都会っ子 純情」から始まり、30分間14曲。矢継ぎ早に流れる曲に合わせて、メンバーが次々入れ替わって踊る。
「LOVEマシーン」など有名な曲も流れ、観客たちから曲に合わせて「オイ!オイ!」と、かけ声がかかり、「○○○~!」とメンバーの名前を叫ぶ声もあがる。もっとゆるい感じかと思っていたら、かなり本気度が高い。歌ってないけど、ホンモノみたいに見えてくる。写真や動画を撮影する人や、どう見ても学生ではない世代も目立つ。
「ダンス、キレキレだな」「選曲のセンスがけっこういいよ」という“講評”が耳に飛び込んできた。厳しいお眼鏡にかなったらしい。
同好会リーダーの4年生、山下結花さんは、
「ハロコン(ハロプロのコンサート)の空気に近づける見せ方を研究しました」
より完璧なコピーをするため、動画などで日々研究を重ねたというところが、ちょっと東大生らしい。同好会の目標は、「東大生にハロプロの魅力を広めること」。山下さんは言う。
「私たちが人気者になりたい、カワイイと言われたい、というのではないんです。東大生に、ハロプロっていいねと思ってもらいたいだけで。そこが他の団体とは一番違うと思いますね」
といっても、じゅうぶん人気者っぽいが。
ハロプロの世界に誘う、疑似体験ユニットなのだ。
※週刊朝日 2014年12月19日号