熱に強く、はがれにくい漆だから、浸け置き洗いや食洗機も大丈夫「なちや」の自在椀は、純漆だけで下塗りから上塗りまで5回重ねた木地呂塗り。純漆は従来の漆と違ってさらさらしているので、ムラなく美しく仕上げられるのは熟練の職人だけという。内側はどんな料理の色味も映える。扱いが簡単なので、とことん使い倒したい「日常の器」だ
熱に強く、はがれにくい漆だから、浸け置き洗いや食洗機も大丈夫
「なちや」の自在椀は、純漆だけで下塗りから上塗りまで5回重ねた木地呂塗り。純漆は従来の漆と違ってさらさらしているので、ムラなく美しく仕上げられるのは熟練の職人だけという。内側はどんな料理の色味も映える。扱いが簡単なので、とことん使い倒したい「日常の器」だ
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持ちやすい凹凸(乱筋)がある
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積み重ねれば場所要らず
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 週刊朝日で好評連載中の「美意識ある生活」。生活品評論家の東海左由留(とうかい・さゆる)さんが厳選したひと品を紹介している。東海さんは日本とヨーロッパで「生活をより豊かに」をテーマに様々なアイテムやサービス、ライフスタイルを取材。自腹で購入し、時間をかけて使用感を検証している。

【美意識ある生活 他の逸品はこちら】

 今回は、なちやの自在椀を紹介する。

*  *  *

■軽い。割れない。ご飯がおいしい

 近頃、ますます漆器を使うようになった。軽いので出し入れしやすいし、陶磁器と違って割れたり欠けたりする心配もなく、粗忽者の私にはぴったりなのだ。漆器に変えてから毎日の台所仕事が楽になった。

 わが家で最も使用頻度が高いのが、京都・大徳寺近くにある「なちや」の自在椀。純漆という、100%天然漆の純度を高めて、きめ細かく精製し、低温で硬化する特殊な漆を用いている。そのたえめ、天然漆で国産の欅(けやき)材の木地にもかかわらず、浸け置き洗いでもはげないし、熱に非常に強いので食洗機も使える。

 内側は艶やかな漆黒で、外側は削りだした木目が美しい、艶を抑えた仕上げ。自在椀4.5に炊きたてのご飯を盛ると、陶磁器より熱を奪わないからか、米のうまみが際立つ。このおいしさを経験すると漆器を手放せなくなる。3.7は汁椀に、6.0は小丼や煮物椀に使う。最小の3.0はアイスクリームなどのデザート用や抹茶オレにも。

<今日の逸品>
自在椀3.0(直径9cm) 5400円
自在椀3.7(直径11.1cm)5940円
自在椀4.5(直径13.5cm)8100円
自在椀6.0(直径18cm)1万8360円(すべて純漆塗り、税込み)
問い合わせ先:なちや

■本商品は朝日新聞社の通信販売「朝日新聞SHOP」(http://shop.asahi.com)でもご注文いただけます。
フリーダイヤル 0120-013-193(年末年始をのぞく毎日9:00~19:00)
※なちやの自在椀を注文する

週刊朝日 2014年7月4日号