
能年玲奈や橋本愛などとともに第38回エランドール賞新人賞を受賞し、目覚しい活躍を見せる女優・木村文乃。
役のイメージのままで捉えられることが多い。「正統派」の澄んだ容姿は、清楚にも冷淡にも染まる。
「覚えられにくい、特徴のない顔だなぁって思います。だから、世に出していくもので『私はこういう人間』と見せないといけない」
ちょっと大変です、と笑うのだ。
映画「太陽の坐る場所」には、光と影が入れ替わる2人の「キョウコ」が登場する。影の存在から人気女優になる今日子を演じた。
光と影は、自身も経ている。一度、芸能界から離れたが、4年前に声がかかり、戻ってきた。
「戻る気はないつもりでも、捨てきれずにいた部分があったのも確かで。だから呼ばれた声についていった。その時、素直になってよかったと、今は思っています」
寄り道していた分、自信のなさがベースにあると言う。
「できる、と思って始めることはないです。でも、『できない』からではなく『やってみる』から始めるスタンスなんです。ケガすることも多々ありますけどね(笑)」
※ 週刊朝日 2014年10月10日号