有料老人ホームとの違いは?(※イメージ)
有料老人ホームとの違いは?(※イメージ)
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 高齢者ホームに住み替えたいという人は、予算や生活スタイルに合う施設を元気なうちに探しておきたい。介護が必要になってから検討するのではなく、見学に足を運べる体力と判断力があるうちに、自分の考えをまとめて準備をしておこう。

 公的な介護施設である特別養護老人ホーム(特養)は費用が安く、人気が高いが、要介護度の高い人が優先される(15年4月以降は原則、要介護3以上に限定)。入所の要件を満たしても、待機中の高齢者は現在52万人に上るなど、入所のハードルは高い。

 現実的に入りやすい高齢者ホームを考えた場合、多くの人の視野に入ってくるのが民間の有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)だ。両者は何がどう違うのか。

 有料老人ホームは、住まいの機能に、食事や介護、健康管理など日常生活に必要なサービス機能がセットで提供される。

 一方、安否確認サービスと生活相談サービスはすべてのサ高住で提供が義務づけられているが、そのほかの生活支援サービス、食事サービス、介護サービスなどは自分で選ばなければいけない。住まいの契約と希望する各種サービスの契約が別々になるのが、有料老人ホームとの違いの一つだ。

 ほとんどのサ高住は、一般的な有料老人ホームのような入居一時金が必要なく、まとまったお金を用意できない事情がある人でも入居しやすい。高額な入居一時金を払っていないため、不満があれば気軽に退去できるなどの利点がある。もっとも、有料老人ホームにも入居一時金が0円、徴収しても20万~50万円程度というホームがある。探せば、サ高住とそれほど変わらないような初期費用で済む有料老人ホームもあるのだ。しかし、月額利用料は有料老人ホームもサ高住も、安くても15万~20万円かかるところが多い(生活保護受給者向けは14万円くらい)。

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