登山などアウトドアが流行している昨今、花をスマホで撮る人も少なくない。しかし、名前が分からない場合、どうしたらいいのか。ライターの小幡恵がお勧めするのはアプリ「花しらべ花認識」だ。
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都会育ちで「田舎」に全く縁がないせいもあって、草木や花の名前をろくに知らない。桜はわかるが、梅と桃と木瓜(ぼけ)の区別はアブナイ。花が咲いていなかったら、桜も見分ける自信なし。
ただ写真を撮るのは好きなので、私のスマホは仕事の行き帰りや家の近所で撮った「名称不明」の花の写真だらけだ。
「せっかくだから、ちょっと調べてみよう」と思って発見したのがこれ。700円の有料アプリだが、「生ビール2杯分じゃん」と購入。2000種類以上の花の画像、詳細を収録したデジタル版の植物図鑑だ。花の色、大きさ、花弁数、時期、見かけた場所などからも、名前のわからない花の「正体」を探すことができる。
このアプリの最大の特徴は、自分が撮った写真から花の名がわかる「花認識」の機能だ。スマホに保存した名前不明の花の写真を指定し、条件を付け加え検索すると「候補」がずらりと表示される。撮った写真と最も似たものを選び、詳細ページと見比べて正解を探せるのだ。
とりあえず、すでに名前を知っているヒルガオ、サルスベリなどを撮影して「花認識」を試してみた。で、結果は「まあまあの精度」。ヒルガオで試してみても、アサガオはもちろん、キキョウ、オシロイバナ、イヌタデ、ツリフネソウまで候補に入っている。正解のヒルガオもあったのでセーフだが、「一発正解」というわけにはいかない。
精度を上げるには、ちょっとコツがある。ともかく写真は花弁の数などもはっきりわかるように正面からアップで撮ること、ピントを合わせること、適正な露出のものを使うことなど。花の直径や、木か草かの区別も条件に入れておくと精度アップ。
これさえあればどんな花の名もわかる、とはいかないが、あれでもない、これでもない、と調べる時間は楽しい。700円の価値はありと私は満足しています。
※ 週刊朝日 2014年9月19日号