33年連続東大合格者数日本一の開成高校・柳沢幸雄校長、駿台予備学校進学情報センター長の石原賢一氏、緑鐵受験指導ゼミナール代表の和田秀樹氏が、大学受験を目指す人たちへ夏休みの過ごし方についてアドバイスを送る。
3人がやはり口をそろえるのが、ぎっしりとスケジュールを組まず、余裕を持たせることだ。休養日を1日入れて計画を組むと、スケジュールどおりにいかなかったことをやったり、計画を見直したりして修正できるからだ。
夏休みが終わると、約1カ月後の9月29日からセンター試験の出願が始まる。
石原氏は、来春のセンター試験では数学と理科が新課程入試になるため注意が必要だという。
「出願の時点で、理科の科目選択のパターンを登録しなくてはなりません。文系か理系かによって選択科目が異なるうえ、大学の科目指定も多様です。志望校を受けられないという事態を避けるため、徹底的に調べて出願しましょう。理科の範囲が広くなったり、科目数が増えたりするため、高3生は夏休みのうちから理科の勉強を始めたほうがいいですね」
「新課程初年度ですから、今後、各予備校や出版社のマーク模試を複数回受けて、数学や理科の形式に慣れておいたほうがいいでしょう」(石原氏)
浪人生は旧課程で受験できるが、過去の例から言うと浪人生の問題が厳しくなる可能性があるという。
「今春易しかった化学は2010年、数学IAは10年や13年などの難しかった問題を解いて、目標点を取れるように準備しましょう」(石原氏)
志望校選びについて柳沢校長は次のようにアドバイスする。
「まずは合格しなくてはならないから、偏差値を参考にして受験校を選ぶ。幸いに複数校合格したら、母校となる大学を偏差値だけで選ぶのではなく、ロングスパンで考えてほしい。ご両親からのアドバイスも受けながら、60歳になったときの自分を想像してください。どの大学に進み、どのような職業につけば、自分の人生を肯定的に、満足感を持って過ごせそうかを考えて、大学のことをよく調べて選んでほしいですね」
夏を制する者は受験を制す。3人のアドバイスを参考にして、来春、志望校合格の栄冠を勝ち取れることを願う。
※週刊朝日 2014年8月1日号より抜粋