秋にも行われる内閣改造の女性入閣枠を巡り、熾烈なバトルが繰り広げられている。
安倍政権は成長戦略で「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を3割にする」とうたっている手前、次の組閣では女性議員を優遇せざるを得ない。18人の大臣枠の約3割となると女性議員5~6人を入閣させなければならないという。
「最多は小泉政権時代の5人なので下回る訳にもいかないでしょう。最有力候補として小渕優子の名前が挙がっているが、首相が少子化担当相の再登板を打診したら、固辞したそうです。総務会長の野田聖子は安定感がありますが、首相の悪口を最近、言ったことが災いし、入閣は絶望視されています」(官邸関係者)
自民党の女性議員は衆参合わせて40人で、1回生議員を除く、23人での争奪戦となる。
高市早苗政調会長、安倍首相を信奉している丸川珠代、片山さつき参院議員らの名前も囁かれる中、環境相、自民党総務会長などを歴任した小池百合子広報本部長が、猛アピールを開始したというのだ。
今月10日、小池氏の声掛けによって、景観や防災対策の観点から国内の電柱をなくしていく「無電柱化民間プロジェクト」実行委員会が発足し、記者発表会が開かれた。
「10年前、クールビズでネクタイを引っこ抜いたので、今度は電柱を引っこ抜かせていただこうと! 無電柱化基本法案の秋の臨時国会提出を目指したい」
第1次安倍政権では首相補佐官、防衛相を歴任したが、当時、官房長官だった塩崎恭久衆院議員とモメて無念の降板。「I shall return(私は必ず戻ってくる)」と誓った小池氏だが、12年9月の自民党総裁選では安倍首相ではなく、石破茂幹事長を支援したため、首相周辺から「裏切られた」と冷遇され続けた。
「08年9月、20人の推薦人をかき集め、女性で初めて総裁選に立候補した意地もある。今回『無電柱化』で豊富な人脈を駆使してわざわざ記者発表をし、気合十分です。無電柱化議員連盟の会長を安倍首相に依頼し、快諾されたので、関係は良好に戻ったのではないか。今度こそ、という本人の思いは強い」(自民党関係者)
“マダム・スシ”の復活は果たしてあるのか?
(本誌取材班)
※週刊朝日 2014年7月25日号