新生活が始まるこのシーズン。一人暮らしを機に、携帯電話をスマートフォンに切り替えた人も多いのでは。しかし防犯を考えると、スマホの使い方にも気を付けなければならない。一人暮らしの子どもを持つ親が注意すべきポイントとは。
たしかにスマホは便利だが、「使い方によっては個人情報の漏洩などのトラブルに見舞われる危険性がある」と注意喚起するのが、モバイル研究家として知られる青森公立大学経営経済学部准教授の木暮祐一氏だ。
「スマホは通信・通話機能も付いたコンピューターと認識し、セキュリティー対策をしっかりしておきましょう。とくに初心者は無料アプリを次々とダウンロードしてしまいがちですが、悪意のあるアプリもインターネット上にはあふれています。それによってアドレスや電話帳、さまざまな個人情報が抜かれて悪用される恐れもあることに注意が必要です」
木暮氏が続ける。
「アプリをダウンロードする際に『~の情報を利用します』のような表示が出てきたら、必ず全文を読んでインストールしてよいか判断しましょう。少しでも怪しいと感じたら、入れてはいけません」
スマホには、プライベートの写真やアドレスなど多くの個人情報が入っている。娘にスマホを持たせるなら、そうした認識やID・パスワード管理の徹底などのリテラシーを教えておきたい。もちろん、紛失や盗難に遭わないように常に気をつけていなければいけないが、万が一のことを考え、紛失した際の対策も万全にしておこう。たとえば、パスワードなどによるロック機能を使うのは基本中の基本と言える。
加えて、セキュリティー上、とくに注意したいのは、撮影した写真の取り扱いだ。ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルネットワークに写真をアップする際の設定によって、写真に埋め込まれている位置情報で住んでいる場所などの個人情報が不特定多数の人に知られたりする恐れがあるという。
「写真に入る位置情報は後から画像を検索する際に便利な機能ですが、設定や使い方によってはそうした危険な“落とし穴”が潜んでいるのです。また、背景から人物や住んでいる場所が特定されることもあるので、写真をネット上にアップするときは慎重に」と、木暮氏は戒める。
※週刊朝日 2014年5月2日号より抜粋