明るいキャラクターで人気の料理愛好家・平野レミさん。レミさんを見守る“愛妻家”として多くの逸話を持つイラストレーターの和田誠さん。結婚して42年、出会いのきっかけは和田さんがラジオでレミさんの声を聞き「一目ぼれした」ことだったという。
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和田:そう、久米宏とやっていた番組。
平野:久米さんと知り合いだったから頼んだんでしょ。
和田:でも「一緒にやってる子を紹介してよ」って言ったら、久米さんが「やめときなさい」って言うんだ。
平野:ワッハッハ。
和田:しゃあないなって、知り合いのディレクターに頼んだの。そしたら今度は「紹介してもいいけど、責任持ちませんよ」って(笑)。
平野:みんな私のことダメな人って思って紹介しなかった。ね、和田さん、私のどこがよかったの?
和田:前に言っただろ。ラジオの前にテレビ番組を見たの。生放送でピアノの前で一人で歌ってたんだけど、歌い始めたらすぐやめてやり直したんだ。
平野:声が出なかったから。
和田:そういうふうには思えなかったんだよ。それで「こういう歌手は珍しいな」と思った。生放送で急に「ストップ」とか言ってね。
平野:じゃあ、珍しい人が好きだったんだ?
和田:いや単に珍しいだけじゃなくて、それがなかなかチャーミングだったのさ。
平野:(大声で)あらちょっとお父さん! 40年で初めてそんな言葉聞いた! 私がチャーミングなんて!
和田:うん。しぐさとか言い方とかね。おもしろい子だなと思ったんだね。