「東大に受かりたいなら、高3の夏まで部活動をやめるなと生徒たちに言っています。高3の夏から7カ月半あれば、たとえ東大模試の偏差値が30台だとしても、合格する勉強法があるのです」
こう断言するのは、『偏差値30から東大に合格する勉強法』(KADOKAWA)の著書がある浜田一志(かずし)氏(49)だ。
浜田氏自身、高校3年の夏まで土佐高校(高知)の野球部で活動を続けた。引退後、初めて受けた東大模試の偏差値は38で、合格可能生は20%未満のE判定だった。しかし、わずか7カ月半の勉強で、東大理IIに現役合格。現在、部活動をする生徒専門の塾「Ai西武学院」の塾長を務める。
なぜ7カ月半という短期間の勉強で、東大に合格できたのか。浜田氏は次のように説明する。
「東大入試は知識偏重ではなく、説明する力、統括的に考える力が問われるため、短期間で合格する受験対策が立てられるのです」
浜田氏いわく、入試に必要な英単語の数で比較すると、早慶上智クラスの難関私大は約4千語。GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)クラスは約3千語。これに対して、東大は約2千語でいいのだという。
また、日本史も細かい知識を問うのではなく、「なぜ藤原氏は実権を握ったのか?」というような、歴史の流れをつかんだうえで説明する力が要求される。
浜田氏は、高3の夏から逆転合格できる受験生のタイプがあるという。
「高3の夏までは部活をやり、引退後、それまで部活に費やしていた時間を勉強にあてて、東大に合格した生徒をたくさん見てきました。彼らの多くに共通するのは、東大に対するあこがれやモチベーションが強く、家族や先生、先輩など身近に東大に合格したお手本がいる、教科書の基礎力がしっかり身についている、体力がある、打たれ強いということです」
※週刊朝日 2014年4月11日号