父と母としての喜びにあふれた皇太子ご夫妻の晴れやかな表情が印象的(写真:日本雑誌協会代表取材)
父と母としての喜びにあふれた皇太子ご夫妻の晴れやかな表情が印象的(写真:日本雑誌協会代表取材)
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 3月18日。皇太子ご夫妻の長女、敬宮愛子さまは学習院初等科を卒業した。

 愛子さまは、卒業記念文集「桜愛集(おうあいしゅう)」に、昨夏参加した静岡県沼部市での遠泳行事で、500メートルを泳ぎ切った体験をつづった。

「沼津での生活は、私に諦めないことの大切さを教えてくれ、大きな自信を与えてくれました」

 式の終了後、ご一家は歩いて、初等科桜愛会の謝恩会が行われる明治記念館に向かった。

 楽しい会だったのだろう。出席者は正面玄関付近で別れを惜しみ、帰ろうとしない。

 皇太子ご一家も思いは同じだ。雅子さまは、児童の母親に丁寧にお辞儀をし、「卒業式の時期になると(愛子さまが)いつもね……」と、母親談義に花を咲かせる。隣では、女の子が愛子さまの袖口を触っては、ふたりで目を見合わせてにっこりする光景も見られた。

 一方で、少し離れて母娘を見守る皇太子さまは、なんとなく所在なさげだ。居合わせた客が思い出し笑いを浮かべる。

「お話し相手を探すように、右や左に視線を漂わせ、くるりとひと回りしてみたり」

 謝恩会は母親の独壇場。ほほ笑ましい、家族のひとコマが垣間見える一日だった。

週刊朝日  2014年4月4日号