複数のメディアで連載を抱えるホリエモンこと堀江貴文氏は、ネット時代のコラムは400字程度が限界なのではないかと考えているという。

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 私はいろいろな雑誌やウェブに連載を持っている。インタビュー形式の連載は例外だが、この連載のように自分自身による書きおろしだと、文字数を埋めるために四苦八苦することが多い。

 そんな悩みを、先日対談した池上彰さんに相談してみると、「それは文字数を埋められるようなネタを選ばない君が悪い」というツッコミをされてしまった。本音を言えば、長く書けそうなネタを選んだとしても、普段からツイッターやLINEで短く要約して書いたり読んだりする癖がついているので文章が短くなってしまうのだ。

 実際、要約しても内容はつかめるので、長文でダラダラと書く意味はないというのが私の持論である。LINEがリリースしている「LINE NEWS」というアプリはニュースそのものをざっくり2、3行くらいで要約した記事を3本程度一つのニュースごとに載せてあり、それを読めば大体の内容はわかるようになっている。元々はライブドア・ニュースにあった「ざっくり言うと」という要約機能をアレンジしたものだと思われる。

 また、私がアドバイザーを務める「Antenna」というニュースキュレーションアプリも、最初ビジュアルとヘッドラインがタイムラインに流れてきて、クリックなりスワイプをすると、やはり3行くらいの要約記事が読め、興味があれば、さらにクリックして記事全文を読むというスクリーニングが可能なのである。

 私は常々、ネット時代の一つのコラムの分量で読んでもらえる限界は400字程度なのではないかと思っている。このコラムだって本文は1200字以上ある。つまり飛ばし読みには向いていない文字数だ。もし400字くらいだったら、読む前にあまり関心がない記事だと感じても、読んでくれる確率が高くなるのではないか。

 さらに奇麗な写真のビジュアルがあるとなお良い。「ホリエモンドットコム」の紙媒体では、そこは重要なポイントとなる。もちろん対談記事はそこまでばっさり要約することはできないが、コラム的な記事はビジュアル重視で写真と少量の記事で構成したほうが読み手としては嬉しいのではないだろうか。電子化する場合を考えてもそのほうがいい。

 過去の連載で書いたような付録は紙の雑誌でしかできないことだろう。先日、SENSEという雑誌のフェスが開催された。男性向けのファッション雑誌なのだが、「THE BLACK SENSE FESTIVAL」と銘打って有名ファションブランドの即売会や有名アーティストのライブ、ランウェイでのファッションショーなど盛りだくさんの内容だった。

 しかも雑誌にチケットがついていて、雑誌の読者であれば無料で参加できるという仕掛けも面白い。代々木第一体育館が盛況で行列ができるという大人気であった。

 やはり、リアルのイベントとの連携というのは重要だ。

 それをフックにしてそれなりの価格帯でも買ってくれる読者を確保するという流れがいいのではないかと思っているのである。

週刊朝日  2014年3月21日号