原発問題が大きな争点となっている東京都知事選だが、元ライブドア社長の堀江貴文氏が推進すべきと発言するのは…?
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特定非営利活動法人「自転車活用推進研究会」が、2014年東京都知事選の候補者に自転車活用政策の推進を求めるオンライン署名キャンペーン「新都知事とつくろう、TOKYO自転車シティ」を開始した。
日本、東京都の自転車政策は世界の主要都市の中でもかなり遅れている。
ロンドンやパリ、ニューヨークに比べても自転車専用道路の整備は二桁くらい違う感じである。世界的な流れで考えれば、排ガスも出ないエコな移動手段として自転車は流行りつつあるのだが、東京の場合は専用道路の整備が遅れているのと、レンタサイクルシステムもほとんど普及していない。それだけでなく、駐輪場が駅前中心にしか整備されていないという、不便なことが原因で普及が遅れているのだ。
都内で動いている自転車の数よりも駐輪場の収容台数は多いらしい。つまりミスマッチが起こっていて、いまだに大量の自転車が撤去されているという現状があるのだという。
解決策は簡単で、分散型で小規模な駐輪場を整備すればいいだけのことだ。またレンタサイクルも単一事業者が多くの箇所に整備すればいい。このNPOは、そのような政策を都知事候補者に公約として提案し、受け入れてもらうことを目標に署名活動やオンライン署名キャンペーンを行っているのだ。
実際、ロンドンを例にとると、10年くらい前は自転車後進都市であったのにもかかわらず、新しくサイクリストがロンドンの市長になると、トップダウンで自転車政策が進められ、先進的な自転車都市に変貌したのであった。
驚くべきことに、彼が再選する際にも同じようなキャンペーンが行われ、彼だけでなく、複数の候補者全員が自転車政策を支持し、万が一、彼が再選されなくても自転車政策が停滞しないという状況を勝ち取ったという。同じようなことが東京でも行えるのではないかという前提に立っているのが今回の署名キャンペーンなのだ。
東京オリンピックも決まり、それまでに旅行者が簡単に自転車をレンタルして都内を走り回れるインフラ整備が求められている。更にそういう流れを促進するために自転車レースのイベントなんかを都内で開催してもいいかもしれない。
例えば、首都高都心環状線を半日封鎖しての自転車イベントを開催してみるとか、実は競輪を開催できる仕様もある東京ドームでサイクリストのイベントをやってみるとか。当局の動き的には、自転車運転者の取り締まり強化のほうばかりがアピールされていて、実際のインフラ整備は後回しになっているという本末転倒的な状況を私は憂慮している。
今回の都知事選で当選した人にぜひトップダウンで進めてもらいたいものである。自転車通勤などに対する人々の理解は以前よりは格段に上がっているし、スポーツとして自転車を楽しむ層も、先日のサイクルモードのイベントに行って認知したところである。これからこの動きを加速させていきたいと思っている。
※週刊朝日 2014年1月31日号