「俺は名誉も勲章もいらない」と話すアントニオ猪木氏(撮影/写真部・慎芝賢)
「俺は名誉も勲章もいらない」と話すアントニオ猪木氏(撮影/写真部・慎芝賢)
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金正恩第一書記にも贈った「闘魂タオル」(撮影/写真部・慎芝賢)
金正恩第一書記にも贈った「闘魂タオル」(撮影/写真部・慎芝賢)

北朝鮮を訪問していたアントニオ猪木参院議員(70)が1月16日に帰国した。昨年11月に続き、なぜ再び訪れたのか。猪木氏が本誌だけに語った。

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 今回の訪朝の目的は三つです。まず、昨年11月に約束していた日本の国会議員団の訪朝計画を再確認すること。次に、1995年に平壌で38万人を集めた「平和の祭典」というプロレスのイベントを今年の夏に開催すること。私の師匠である力道山が、昨年に没後50年を迎えたので、記念する行事にしたいと思います。そして、私が代表を務める「スポーツ平和交流協会」の平壌事務所を日朝間の交流促進の窓口として機能させていくことです。

 こういう活動をしていると「猪木の野郎は北朝鮮の太鼓持ちをしている」と批判してくる人がいます。でもね、面と向かって言ってきたら「バカヤロー!」と怒鳴ってやりますよ。

 拉致担当大臣は7年半で14人も代わっている。水面下の外交交渉も、まともにできていないのです。日朝関係は10年以上動いていません。なのに、北朝鮮と対話をしようとすると批判され、国会で制裁を受ける。だから、俺は腹をくくって行動しているんです。最近では理解者も増え、日本維新の会の国会議員団や拉致議連の幹部からは訪朝の了承をもらっています。拉致被害者の家族の方々からも「現状をどうにか打開してくれ」との要請がたくさん来ています。

 今回の訪朝では朝鮮労働党の金永日(キムヨンイル)国際部長と面会しました。日本の国会議員団の受け入れでは「拉致問題担当大臣もおいでください」とも言ってくれました。これは金永日氏ひとりの考えで言えることではありません。北朝鮮の上層部もそのように考えて、対話を求めるメッセージを出しているのです。

週刊朝日 2014年1月31日号