小泉氏との会合については、「出席した松田公太(参院議員)が、小泉さんに許可取ってツイッターでつぶやいちゃったんだよ」(撮影/写真部・岡田晃奈)
小泉氏との会合については、「出席した松田公太(参院議員)が、小泉さんに許可取ってツイッターでつぶやいちゃったんだよ」(撮影/写真部・岡田晃奈)
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 臨時国会が開会したが、1強多弱の政治風景は変わらない。そんな中、みんなの党を率いる渡辺喜美代表(61)の周辺が最近、何かと騒がしい。小泉純一郎元首相(71)への接近や純化路線をめぐっての党内の路線対立、日本維新の会との関係など“核心”に迫った。

――10月17日に衆院で代表質問を行いました。小泉元首相と会食したときの話を披露し、安倍首相に対して原発推進の姿勢を疑問視する質問をしていました。

 小泉さんが「原発ゼロは総理が決断すればできる」と発言したことについて質問しましたが、答弁がありませんでした。ですが安倍首相は全体的に丁寧に答弁していました。特に小泉さんが関心をもっている核廃棄物最終処分場の問題について、「今も着手できていないことを受け止めないといけない。国として責任を持って検討し、原子力比率は可能な限り引き下げます」などとものすごく丁寧でした。これは私に対する答弁と同時に、小泉さんへの答弁だからですよ。

――実は安倍さんとはちょくちょく連絡をとっているんですよね。

 第1次安倍内閣の仲間でつくる「アピー・ロードの会」というのがあって、安倍さんのほか、塩崎恭久元官房長官(62)や菅義偉官房長官(64)と年に2回程度食事したり、ゴルフをやったりしています。今年は1月に食事をしました。

――代表質問が終わった後など、携帯電話で連絡をとってるんじゃないですか。

 いえいえいえ、そのあたりはつまびらかにはしませんけれども、はい(笑)。

――この臨時国会ですが、いつものように独自に法案を出し、「賛同する政党、この指とまれ」方式でいくようですね。

 クロス連合と呼んでますが、争点や政策ごとに、組む相手を主体的に選んでいくんです。誰と組むかの前に、何をやるかを優先させます。組む相手をあらかじめ決めて政策はつくりません。これは結党以来変わりません。

――純化路線、徹底していますね。

 政界再編を目指すなら、党同士がひっつく「切り貼り新党」路線ではなく「政党ブロック」路線でしょう。

――政党ブロック、要は連立ですよね。

 まあそうです。世界中どこもそうですよ、二大政党制をやっているのがアメリカぐらいですから。この20年、自民党が分裂して以来、切り貼り新党がいくつできたか、誰も数えたことがないでしょう。アメーバみたいに、政党だか政治団体だかわからないものがうようよとできました。4年前のみんなの党結党以来、八つ政党ができました。みんな切り貼り政党です。純化路線で選挙のたびに議席を伸ばしてきたわれわれは、この20年間の政界再編の歴史ではたった一つといっていいかもしれない。

――ただ、強い野党を求める有権者にとって、方法論は関係ないのでは。

 政党の目的は政策の実現です。そのために何をやるかです。

――純化路線に理解を示せなかった議員も党内にいました。

 切り貼り新党を目指していた人が少数いたかもしれません。そういう人たちには「腰掛け半分で、2~3年でなくなるような政党をつくったわけじゃないよ」と言っています。

――結党のオリジナルメンバーであった、江田憲司前幹事長(57)らでも意思の統一ができなかった。

 江田さんは「新党はつくらない、みんなの党を愛している」と言っています。純化路線でどうやって政界再編やるんですかと聞かれたら、政党ブロックでやっていくしかない。例えば去年の夏、絶頂期だった大阪維新の会が、ものすごい上目線でみんなの党の解党と合流を要求してきました。当然のことながら拒否しました。当時みんなの党は2回、国政選挙をやり、統一地方選も経験していました。何百万人も支持してくれた人がいたのに、どう説明するんですか。みんなの党の旗立てて、地方議員になった人が300人以上いるんです。

――このたび、新党路線ではなく、政党ブロック路線を進むと党として正式決定しました。

 党議決定したので、切り粘り新党運動に参加をするということは反党行為になります。新党をつくること自体が、反党行為ですよ。

――「野党再編」ではなく、いつも「政界再編」と言ってますね。

 あらかじめ、どこと組むとは特定しません。安倍内閣が真摯に戦う改革を進めるなら、いくらでも協力します。

週刊朝日  2013年11月1日号