日本維新の会の党内バトルが激化した。橋下徹大阪市長(43)に近い「大阪維新の会」系と石原慎太郎代表(80)に近い「旧太陽の党」系、さらに中田宏前横浜市長(48)や東国原英夫前宮崎県知事(55)まで主導権争いに参戦。四分五裂の危機に直面している。
維新系を西軍、旧太陽系を東軍とすると、「西軍も実は一枚岩ではない。側近ばかり重用する松井一郎幹事長(48)に反感を抱く議員もいて、それを中田さんや山田宏前杉並区長(54)ら旧創新党系が取り込もうと狙っている。その動きに対抗するかのように、東国原さんは、近畿ブロックで一緒に当選した橋下チルドレンと組もうと動いているようです」(維新の国会議員)。
また、政党の立ち位置を巡っても東西で大きな齟齬がある。橋下氏は12月21日の会見で、野党として大きな集団を作る必要性をこう強調した。
「民主党と維新、みんなの党がバラバラでは、まったく政治的な力を発揮できない。自公という強力な政権がある以上、それにきちんと対抗できる勢力を作ることが政治家の役割だ」
一方、東軍の議員はいずれも自民党との連携に前向きだ。この違いが現実の動きとなって表面化すれば、党分裂は避けられない。
古賀茂明大阪府市統合本部特別顧問はこう指摘する。
「衆院選で議席が7倍になった旧太陽は、次の参院選までは面従腹背でいく作戦です。野党である維新の政策が実現する可能性は限りなくゼロに近いので、橋下さんが東軍にとって不都合な政策を決めても実害はない。そう割り切って、彼らは維新を利用し続けるでしょう。しがみつかれた橋下さんとの間で、泥沼の“離婚争議”になる公算大です」
※週刊朝日 2013年1月4・11日号