自民党圧勝で終わった衆院選。小沢一郎氏(70)が打ちたてた日本未来の党もわずか9議席と大敗した。小沢氏とともに離党し、未来から出馬した小沢ガールズたちは、次々と討ち死にした。
主な候補だけでも、野田佳彦首相(55)の地盤に刺客として送られた元フジテレビ職員の三宅雪子氏(47、千葉4区)、元キャバ嬢の太田和美氏(33、福島2区)、薬害肝炎患者で、前回衆院選で小沢氏のラブコールを受けた福田衣里子氏(32、比例近畿単独)……。東京12区で太田昭宏前公明党代表(67)と再戦し、大差で敗れた青木愛氏(47)が、かろうじて比例復活をしただけだった。
また、小沢氏が新たに擁立した選挙初挑戦の「ガールズ」たちも苦杯をなめた。
達増(たっそ)拓也岩手県知事の妻で、全日空の元客室乗務員だった達増陽子氏(47)は、岩手1区で民主、自民両候補に競り負けた。
朝夜、気温が零下になる地元では、ピンクのスキージャンパーを着て支持集めに奔走。集会では、「私ごとき、ホントにただの主婦で、政治経験もなく、候補者としてほんとにみなさまにご迷惑をかけておるんですけれども……」と涙声で訴え、「鼻をかんだ後の手では握手できない」と、手を洗いに行く姿は初々しかったのだが……。
岩手3区では温泉旅館の女将である佐藤奈保美氏(46)が、民主党の黄川田徹復興副大臣(59)への刺客となったが敗れ去った。
岩手の4選挙区で、未来候補が勝ったのは4区の小沢氏だけ。これまで選挙期間には全国を回っていた小沢氏が、最終盤の12月12日から投票前日まで岩手県内を歩き回り、「小沢さんが岩手にはりついてるなんて初めて見た」(後援者)と言われたが、「選挙に強い」と言われた“剛腕”は威力を発揮できなかった。
※週刊朝日 2012年12月28日号