第三極の中心として大きな期待がかかっていた日本維新の会。しかし、ふたを開けてみれば、54議席と伸び悩んだ。橋下徹代表代行の盟友で、愛媛県知事の中村時広氏は橋下氏へエールを送る。

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 橋下さんがつくってきた日本維新の会が、このまま政界で埋没してしまうのは、非常にもったいないなと思っています。政治家は選挙のことを考えると、官公労その他の強大な既得権益とは戦いたくないものです。それでもちゅうちょなく切り込んでいったのが橋下さんでした。

 彼が大阪府知事だった2008年に、テレビ番組で一緒になったことがきっかけで友人となったのも、そういう捨て身の姿に共感したからです。私が松山市長になったときも、政党や業界団体などを全部敵に回しました。愛媛は自民党が強いのですが、今回、私は「友人が志を立てたときは、火の粉をかぶってでもエールを送る」と決意し、維新の会の候補を応援しました。

 ただ橋下さんが第三極の結集に失敗したのは残念でしたね。11月24日に愛媛へ来た橋下さんに、「もっと集まったほうがいい。特にみんなの党とは多少の違いは乗り越えるべきだ」と言いました。でも、そうはならず、票が分散し、自民党を大勝させてしまった。

 自民党の対抗勢力は絶対に必要です。大政翼賛会のようにしてはならない。橋下さんが今後どういう道を歩んでいくのかわかりませんが、これまでの政治を変える可能性を持った人であることは間違いない。個人的にはやはり、みんなの党と一緒になるべきだと考えています。

週刊朝日 2012年12月28日号