選挙戦も中盤だというのに、「日本未来の党」の内部がどうにもゴタゴタしている。ミソをつけたのは、公示日(12月4日)の立候補届け出で繰り広げた、あの比例名簿を巡るドタバタ劇だった。

 未来は比例名簿の受理が4日夜までズレ込み、あわや“不戦敗”寸前に。名簿順位を巡り党内の対立が激化し、調整が難航したのだ。小沢一郎氏(70)の側近、森ゆうこ副代表(56)は、「(直前に)飯田哲也代表代行(53)から方針転換の話がありストップした」と、原因が飯田氏にあると言わんばかりに釈明した。旧「国民の生活が第一」出身の未来関係者が明かす。

「名簿順位は、選挙担当幹事の川島智太郎氏(48)ら小沢側近が、親方(小沢氏)と一緒に民主党を離党して、生活に合流した前職らを優遇する形で作成しました。その結果、山口1区に出馬した飯田氏の順位が中国ブロックの最下位になってしまった。嘉田由紀子代表(62)からの連絡でこれを知った飯田氏が怒り、『前職も新人も平等にしろ』とねじ込んだため、ほかのブロックも差し替えを迫られたんです」

“飯田外し”を土壇場で防いだ嘉田氏は翌5日の会見で、こう平静を装った。

「比例名簿の原則は『重複立候補は第1位で統一』と取り決めていたが、前職と新人で差をつける案が出た。原則に戻すための調整で時間がかかりました」

 だが、その割を食って、嘉田氏の意向で近畿ブロック比例単独2位を約束されていた福田衣里子前衆院議員(32)が最下位14位で冷遇される結果に。

「民主党から『みどりの風』に移った福田さんは、嘉田さんを信じて近畿で出る決意をしたんだろうけど、権力闘争に巻き込まれ、最後はハシゴを外された。当選はこれで完全になくなった」(みどりの風関係者)

週刊朝日 2012年12月21日号