日仏両国の料理技術を学び、料理教室やケータリングを通して心を元気にする食のあり方を提案している、料理研究家の柳谷晃子氏に「長寿食」大豆について話を聞いた。
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きなこは大豆を炒ってひいたものです。
大豆の難点は、消化が悪く生では食べられないところですが、茹でて食べると消化吸収率は60〜65%、きなこにすると75〜80%に上がります。しかも、きなこは加熱しなくても食べられて、栄養満点なので、非常食として家庭に常備すると良いでしょう。
大豆は生活習慣病の予防につながる食品で、特に女性の役に立ちます。更年期には女性ホルモンが減少しますが、大豆イソフラボンには女性ホルモンのエストロゲンに似た働きがあり、更年期に起こる不快な症状を緩和するといわれています。また、骨からカルシウムが減少するのを防ぐので、高齢期に多い骨粗鬆症の予防効果も期待できます。
目的によって、大豆の調理法は様々です。たとえば、貧血予防のために鉄分吸収をしたい場合は、ひじきと大豆の煮物は向きません。大豆の皮が鉄分吸収の妨げになるためです。ひじきと納豆や豆腐を組み合わせるほうが効果的です。
※週刊朝日 2012年12月7日号