マーケティング担当者なら知っておきたい「広告」と「PR」の絶対的な違い

本田：私の場合、あまりにも保守的な会社に対しては、「それだったら、やらないほうがいいですよ」とはっきり言うようにしています。一番よくないのは、PRという名の広告をやることなんです。「わかりました。もっと商品に寄せて行きましょう」というのがお互いに最悪です。広告で言っていることと、まったく変わらなくなるので、PR本来の効果がなくなるわけです。なので、「わかりました。そんなに商品の露出を確実にしたいんだったら、メディアを買いましょう」と、PRへの投資を止めるようにしています。やるんだったら、勇気がいるでしょうが、不確実性に賭けてもらうことが必要です。その代わり、こちらは「最低でも、これくらいは露出するはずです」と提言するわけです。経験上、ある程度は予測がつくので。

本田哲也（ほんだ・てつや）
（株）本田事務所代表。PRストラテジスト。1999年、世界最大規模のPR会社フライシュマン・ヒラードの日本法人に入社。2006年、ブルーカレント・ジャパンを設立し代表に就任。国内外での講演実績多数。代表著作に『戦略PR』（アスキー・メディアワークス）など。

足立光氏（あだち・ひかる）
（株）ナイアンティック シニアディレクター プロダクトマーケティング（APAC）。P＆Gジャパン（株）、シュワルツコフ ヘンケル（株）社長・会長、（株）ワールド執行役員などを経て、2015年から日本マクドナルド（株）にて上級執行役員・マーケティング本部長としてV字回復をけん引。18年9月より現職。（株）I－neの社外取締役、（株）ローランド・ベルガーやスマートニュース（株）のアドバイザーも兼任。著書に「圧倒的な成果を生み出す『劇薬』の仕事術」、「『300億円』赤字だったマックを六本木のバーの店長がV字回復させた秘密」。訳書に「P＆Gウェイ」「マーケティング・ゲーム」など。オンラインサロン「無双塾」主催。