不倫がダメだというのも、そもそもその夫婦の問題であって、刑法で罰せられるような犯罪ではありません。結婚式では「一生あなたを愛し続けます」と“口約束”しますが、婚姻届に「今後、あなた以外の異性に触れることはありません」「一生あなた以外を愛することはありません」と書いて判を押したわけでもありません。
2人が出会って結婚して、時間が経つにつれてだんだんと気持ちも関係性も変わっていくものです。愛情が情になることもあるだろうし、冷める時期も、惚れ直すこともあるのが夫婦でしょう。それを外野が「約束したのに許せない」とやんや言っているのがそもそもおかしい。許せないなら、自分がやらなければいい。それだけです。
確かに、傷つくのは奥さんです。だとしても、みんなが「奥さんがかわいそう」と一つの方向だけを見て批判するのも気持ち悪さがある。小説の『失楽園』が大ヒットして、映画やドラマになり、素晴らしいと評価されたけど、あれだってダメな恋愛だったわけです。それなのに現実の世界で、ちょっと顔を知っている芸能人が不倫するとみんなが一辺倒に攻撃する。自分がされたわけでもないのに、もう顔を見たくないと批判して、スポンサーに厳しい対応を迫って抹殺させるわけです。この集団リンチ状態こそ、怖くないですか? 人のこと叩いていばかりいたら、いつかあなたにもその順番が回ってきますよ。
もはや清廉潔白ブームと呼べると思います。しかもそれを芸能人が見本になって、引っ張っていかなければいけないような空気になっています。近所の人の不倫には「よその家のことに口出しするな」って一線を引くはずなのに、赤の他人であるはずの俳優さん家のことになると「人前に立つ仕事だから無関係じゃない!」と、叩いてOKになるのもおかしい。いやいや、そっちが顔を知っているだけで、まったく無関係な“よその家”のことですよ。