7月に開幕する東京オリンピック・パラリンピックで、日本代表選手団が着用する公式服装が23日、発表された。
公式服装のコンセプトは「ニッポンを纏(まと)う」。開会式用と式典用のそれぞれのデザインが発表され、男性が1種類、女性がパンツとキュロットの2種類。オリンピック代表とパラリンピック代表のデザインはこれまでの過去大会では別だったが、今回初めて同一デザインとなった。
選手たちが袖を通したのは、開会式用のもので、白のジャケットに赤のパンツ・キュロットをあわせている。公式服装を制作したAOKIによると、ストレッチ性や通気性が高い素材を使用し、酷暑での暑さ対策も施されているという。一般販売については未定としている。
会見では、競泳の瀬戸大也のほかに、馬術・馬場馬術の黒木茜やウエイトリフティングの三宅宏実のほか、パラではアーチェリーの上山友裕、陸上競技の前川楓、トライアスロンの土田和歌子の計6人が公式服装を着て登壇。実際に着てみた感想を問われると、「かわいらしいデザイン。過去に出場した大会のなかでもかわいいなと思う」(三宅)、「赤いジャケットをイメージしていたが、白だった。日本の優しいイメージを感じた。私のお気に入りになると思います」(土田)と選手らの間では好評だった。
今回のデザインについて、男性ファッション誌「AERA STYLE MAGAZINE」の藤岡信吾編集長は「マーケティングがうまいAOKIらしいデザイン」と評価する。
「これまでの赤と白のデザインを踏襲しつつも、オリ・パラ同一デザインという形で『共生』という社会のニーズをうまく形にしていると思います。女性はボトムにパンツとキュロットという選択肢があり、体型に合わせて着ることができる。特にキュロットは、女性らしさと軽快さのバランスが感じられてよいと思います」
一方で、選手団の公式服装の選定の過程については、盛り上がりに欠ける面も感じられたという。