「ちゅこーちもちゃむくないわ」
そりゃそうだ、コタツの中なんだから。
歌ったら気が済んだのか、こたつから這い出してきて、
「ちゃむいちゃむい」
と言うちびに急いで服を着せた。
保育園から帰宅すると、その日、園で歌った歌をリビングで口ずさむ。
こないだ、久しぶりに「犬のおまわりさん」を歌いながら歩き回りはじめたちび。
「おうちーをちいてもわからないー
なまえーをちいてもわからないー」
きっと久しぶりに園で歌ってきたのだろう。
随分と明瞭に歌えるようになってきたな、と私は夕食をテーブルに運びながら聞き耳を立てていた。
「い、ぬ、のー、えりちゃんのままー」
ここである。全く意外なタイミングで登場した「えりちゃんのまま」。
我々の知る限り保育園にえりちゃんという子はいない。近所にもいない。
全くもって謎の人物、えりちゃんのまま。
えりちゃんのママが犬なのか、それとも、えりちゃんが犬で、そのママなのか。
私と夫は顔を見合わせて、首を傾げるばかり。
何度歌っても、えりちゃんのままはこのタイミングで登場する。
そしてそれ以外のシーンでは登場しないのである。
謎の人物「えりちゃんのまま」に心ざわざわな日々。
この先どんな展開が待ち構えているのか。
我々はその人物の謎を解き明かすことができるのか。
夫と共に注視していきたい。
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