経営の効率化を目指し、日本初の公営地下鉄が全国で初めて生まれ変わる――。大きなニュースとなった「Osaka Metro」こと大阪市高速電気軌道株式会社(本社:大阪市西区)の民営化から1年8カ月が過ぎた。キャッチフレーズに「走り続ける、変わり続ける」を掲げ、2019年5月には民営化後初となる決算で増収増益を発表と、ここまで順調に「走り続けて」いるのは周知のとおり。では、もう一方の「変わり続ける」はさていかに――。これまでに変化を遂げた部分を中心に見てみたい。
■1「車両で『変わった』点」車両の置き換え/駅ナンバリング/弱冷車
前身の大阪市交通局時代から進められていた、御堂筋線と南港ポートタウン線の車両更新は民営化後も継続された。
2011年から30000系が投入されていた御堂筋線は、長らく“御堂筋線の顔”として親しまれた10系、10A系を置き換えている。当初はシートモケットの色、LCD旅客情報案内装置のサイズ変更などのマイナーチェンジ程度だったが、2016年の第4編成以降はロングシートの改良、空気清浄機の設置、調光調色照明の採用、LCD旅客情報案内装置のサイズ変更が行われている。
次に、「ニュートラム」こと新交通システムの南港ポートタウン線は、200系を2015年から投入し、2019年3月までに100A系をすべて置き換えた。子どもの笑顔をイメージした前面デザインや編成ごとに異なるカラーリングが特徴で、連結器の右側に空いた穴をエクボに見立てるこだわりようだ。車内にはセミクロスシートを採用。配色も1・2号車は公園をイメージしたグリーン、3・4号車は桜をイメージしたピンクに分けた。
このほかにも、第三軌条各線に投入された新20系など、ヘッドライトのLED化(シールドビームと同じ色)やリニューアルが進められたほか、今里筋線の80系第17編成が長堀鶴見緑地線に転用されている。
路線名と駅名を簡略・記号化。駅番号制とも称される駅ナンバリングは東京メトロが初めて方向幕に導入し波及したが、これに追随する形でOsaka Metroも車両の方向幕(デジタルも含む)に駅ナンバリングを取り入れた。