行方不明になっていた大阪市に住む小学6年生の女児(12)が、約400キロ離れた栃木県小山市で保護されてから6日。未成年者誘拐容疑で逮捕された同市の職業不詳、伊藤仁士容疑者(35)が、AERA dot.の取材にはじめて応じた。
現在、大阪府警に留置されている伊藤容疑者。面会を申し込んだところ、15分間の取材が認められた。伊藤容疑者は連日の取り調べに疲れている様子で、うなだれて頭をかく場面もあった。
逮捕時には、伊藤容疑者の自宅で中学3年生の女子生徒(15)も保護された。伊藤容疑者は2人の未成年者を自宅で監禁したことについて「困っている人がいたから助けただけ」「なんで逮捕されたのかわからない」などと述べた。ただ、大阪府警からは事件に関する質問は禁止されていたため、少女たちの靴や携帯電話などを取り上げた理由などについては聞けなかった。
以下は、伊藤容疑者との一問一答。
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──あなたは「正義感が強い」と一部メディアで報道されていますが、あなたの言う「正義」とは何ですか。
正義感っていうのは抽象的だから、個々人の解釈がある。僕は、警察や検察が言う「正義」は正義ではないと思う。誰かが「助けて!」と言っているんです。僕は助けただけ。なんで逮捕されたのか、わからない。
──後悔はありますか?
たまたま困っている人がいた。僕は助けただけ。違法なのはわかるが、放っておくことはできなかった。人を助けただけなのに、こんなに人生が踏みにじられた。最初から悪意だと疑われている。