現在、YouTube内で、以前テレビで活躍されていたメンタリストのDaiGoさんが、「科学的に証明された論文を紹介する」内容の動画を主軸に配信し、非常に支持されているとネットニュースで知りました。
しかしあるとき彼が、「宿題をやるのは意味がないどころか悪影響」という論文を紹介したところ、その動画に対して、「論文の解釈が誤っている」と指摘する人たちが何人か出てきて、もめた結果、DaiGoさんが後から訂正動画をアップしたそうです。指摘された論文は、かつて私もこのコラムで書いたことがある、デューク大学のハリス・クーパー教授によるものでした。
要約すると、「小学生には宿題を出してもあまり意味がなく、勉強面でも効果をもってくるのは中学生や高校生になってきてからだった」という内容です。気になるので実際にその動画を視聴してみたところ、「学校は宿題を出すのを禁止して、エビデンス(科学的根拠)をもとに授業の質をあげたらどうか?」というなかなかの毒舌発言をしていました(でも、私もそれに同意ですが)。
訂正動画では、論文に「宿題は逆効果になることもあるが全く意味がないわけではなく、中高生になるころに学問的な意味が出てくる。結論として宿題に関する研究には限界がある」とも書かれている、といった情報を追加していました。
過激なタイトルのほうが、視聴回数が上がりやすいという理由もあったでしょう。つまるところDaiGoさんは、見出しと話す内容を小学生の結果のみにフィーチャーしすぎて、全ての「宿題=不要」だととれる発言をし、誤解されやすいと指摘されたわけです。
そして結局、肝心の「宿題はやったほうがいいのかどうか」という議論に関してですが……ハリス教授が述べたように「研究では効果を調べるのに限界がある」ならば、個々で論理的に判断していくしかありません。
■宿題はやったほうがいいのか、やらなくていいのか
そこで考えてみると、私はやはり、「別にやらなくていい」派なのです。