みんな刑務所を出てから、毎日毎日やりたい気持ちと戦っていて、依存症の治療をしても“再発”する人もたくさんいる中で、10年以上やっていないのはすごいことだと考えて良くないか? 「当たり前だろ」というのは昔の考えで、「よく頑張ってるな、あんな劇薬を体に入れたのに」ってもっと讃える風潮をつくっていかないといけないと思う。高知東生さんや清原和博さんだってそうです。清原さんの言葉を信じるなら「3年半、1日も休まず治療とグループミーティング行っていた」そうですが、逆に言えば、1日も休まず行かなきゃいけないほど、実は苦しいものなんです。
僕はそういう人が社会復帰することはいいことだと思う。そうやって環境が良い方に変わっていくことでさえスイッチになるのはとても歯がゆいけど、それが依存症という病気。根性論でもなんでもないわけです。
田代さんはこれでまた懲役4年ぐらいの実刑を受けることになると思う。だけど、最近メディアでも言われるように、薬物依存症に関する法令を変えていかないといけない時期なのかなと思います。もちろん法治国家だから罪は償わなきゃいけないけど、もう何回目なの?っていう人を刑務所に入れても、結局またやるでしょ。かといって、そういう人たちを一生刑務所に入れておくこともできない。ある専門家が、懲役4年の刑期を2年にして残りは執行猶予を付けて施設で治療させてはどうかと言っていて、なるほどなと思いました。執行猶予を終えても、治るかというとそういう問題じゃないけど。
田代さんの逮捕から、5回やるってどういうことだと思う? こっちも今までと同じやり方でいいと思う?ということを考えていかないといけないと思います。芸能人が逮捕されるとニュースになるから、「芸能人と薬」みたいに見えますが、一般の社会でも4回も5回も逮捕されている人がめちゃくちゃいるわけです。その人たちをどうするか。「ダメだな田代、あいつシャブ中だな」では何も解決しないし、世の中で同じような状況にいるたくさんの人たちのことも解決できない。