大学に通う時間をつくること自体が難しい日々だが、「芸術を勉強してみたい」と意欲的だ。

「芸術学科に友だちがいて、話を聞くと面白そうだと思って。芸術にはいままで触れてこなかったんですけど、たとえば昔の絵について学ぶことは社会学部の勉強にもつながるかな、と。それに、もしかしたらライブでの演出やグッズ作製など、いまの仕事にもつながるかもしれないな、って」

 仕事では「お芝居が楽しい」と語る永瀬さん。実力派俳優との共演では、一流のすごさを肌で感じた。同世代よりも多くの経験を重ねる20歳は、「社会に出たら大変なことがある」ことを体感している。

「大学は自由な時間がたくさんあるとよく言われるくらいだから、楽しいことは間違いない。ただ、どう過ごすかは自分次第。勉強はもちろん、バイト、一人暮らし、全部が大変やろうけど、その経験は卒業してから絶対生きてくると思います」

 大学に進んでもっともよかったことは、親友と呼べる存在と出会えたこと。大学は「出会いの場所」だと、力を込める。

「友人も、先生も、素晴らしい出会いがたくさんありました。お互いに刺激を与え合い、成長できるような人に出会えるのが、大学です」

 人気に甘んじることなく、自分のキャリアを冷静に考え、将来のために決断してきた。卒業後の未来にも思いを馳せる。

「いま勉強していることが、これからの仕事につながっていけばいいな、と思います。そして、いずれは後輩にとっての道しるべになっていたいです」

(文/アエラムック編集部・濱田ももこ)

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