実際に、吉本興業さんがNTTと一緒に教育ソフトを開発するプロジェクトで、クールジャパン機構から最大100億円という融資を受けることになっていて、既に22億円が支払われ、それに対して疑問の声も出てきてしまっている。これだって一部は税金ですから、パワハラという疑問が残る企業が教育分野に進出するのがふさわしいのかと思われてしまう。どう変わっていくのか、周りが納得するように示していく責任はあると思うんです。
個人的には、会社を通さず自分の言葉で伝えるという宮迫さんと亮さんの判断はやっぱり正しかったと思いました。言いにくいことも正直に話していると感じたし、ウソは無かったと思う。それを見て、時代は過渡期だなとも感じました。この問題だけでなく、内部告発が認められる社会って大事だと思うんです。例えば学校で先生に殴られて終わり、部活でコーチの言うことに従って我慢するだけっていうのはもう変えなきゃいけないし、日本の芸能界も変わるチャンスなんだと思う。テレビ局も大手広告会社もタレント自身の意識も含めてね。
たまたまタイミングが重なったけど、公正取引委員会がジャニーズ事務所に注意したという報道もありましたよね。普通の企業なら辞める、転職するっていう職業選択の自由がるけど、芸能界では所属事務所を変えるのはタブーだったし、それでペナルティーを受ける人もいた。そうすることでタレントを守ったり、業界がスムーズに回っていた面もあったんだろうけど、そろそろ変わらなきゃいけない。それが組織に新しい風を入れるということにもつながりますから。個人的には日本もアメリカみたいにエージェント制に移っていくのかなと思っています。
宮迫さんの会見で「テレビ局は株主やから大丈夫」と言われたという話も注目されましたが、今回の件とは別にして、株の持ち合いについて僕なりに調べてみて、初めて知ることがいっぱいありました。例えば、株の持ち合いってドイツでは少しあったみたいだけど日本独自のもので、最近はそれを解消して売っちゃうのが大企業のトレンドらしい。株を持ち合うことで株価を底上げするとかメリットはあるらしいけど、景気が悪くなって一つの企業の業績不振が他社にも影響したり、デメリットもあるんですよね。でも報道もやっている放送局は、屈しちゃいけないときもあるわけで、テレビ局と芸能事務所の株の問題をどうするかという課題は残っていると思います。
詳しい事情も知らずにSNS上で名前も明かさず、雰囲気で叩いていた人たちも、本人が会見したら手のひらを返したように会社側を批判してますよね。それって何も生み出さないやり方ですよ。責任はメディアにもあって、写真週刊誌が2回目に出してきた写真は宮迫さんの説明によるとお願いされて撮っただけのものだったらしいし、誤報と呼べるレベルのものなんじゃないかとさえ思う。報じる側にも見る側にも反省すべきことがあったのではと思いますね。