「帰り際に時子さんがうつむいて『最近、死にたくなっちゃってんだ……』って。どうしたのよって声をかけると『祐樹はあっち(刑務所)だし(長女夫婦の)店も閉めちゃったし、いろいろとね』って」(「週刊女性」)

 この自宅は三女にあたる彼女が17歳のときに建てたことから「ゴマキ御殿」とも呼ばれていた。ちなみに、安室奈美恵も絶頂期というべき99年に、母が再婚相手の弟に殺されるという不幸を経験している。また、ユウキの事件は弟の不祥事に悩まされた美空ひばりのケースを思い出させた。

 とまあ、デビュー時の衝撃やその後の出来事などからは大物感が漂うのだが――。彼女の場合、ちょっと違うような気がしてならない。なぜなら、ひばりや安室とて、もともとは「普通のヤンキー」的なものを感じさせる人だった。それがしだいに、大物芸能人らしい雰囲気に変わっていったわけだ。

 しかし、ゴマキについてはほとんど変わっていないように思える。たとえば、弟の事件の影響もあって芸能活動を休止していた時期、週刊誌に掲載されたスクープ写真だ。朝から地元のパチンコ店に行き、くわえタバコで立て膝をつきながら台に向かう姿は「普通のヤンキー」そのものだった。自宅でハマっていたのも、オンラインゲームだったりする。

■地元・江戸川区への愛を熱弁

 恋愛に関しても、かつては二宮和也、亀梨和也、山下智久らと浮名を流したものの、結婚した相手はもともと彼女のファンだったという一般人。「やんちゃそうな雰囲気が私の好み」だったという。不倫をした元恋人も一般人で、会っていたのはアパホテルだ。
 
 昨年、本の宣伝も兼ねて「誰だって波瀾爆笑」に出たときも、生まれてこのかた住み続けている江戸川区への愛を熱弁していた。この地元志向、庶民志向こそが彼女の本質なのではないか。

 だとすれば、芸能人・ゴマキと普通のヤンキー・後藤真希のあいだには大きくて不変のギャップがあるということに。そこが魅力でもあるから、最初に気づいたファンたちは慧眼というほかない。

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本当の自分をわかってくれているのがファン