3つに分けたうちの「好ましい行動」をしたとき、または親が頼んだことをしてくれたときに、行動を認めてほめます。コツは行動が100%終わるのを待つのではなく、行動し始めたときにほめることです。これを「25%ルール」と呼んでいます。視線を合わせ、近づいて、穏やかな明るい声で、微笑んで、簡潔に「○○できたね」「○○してくれてありがとう」と伝えます。
ほめるのが難しいと言う親もいますが(他人の子はほめられても我が子には難しということがあるものです)、最初は演技でもいいですよ。大げさに言う必要もありません。ポジティブな注目を続けると、子どもも「それならお風呂に入ろうかな」と、指示を受けたときに行動に移しやすくなります。そして何よりも「やればできるんだ」という自己肯定感を持ち、苦手なことにも取り組めるようになります。困ったときに周囲に助けを求めることができるのも、この感覚があればこそ。練習あるのみ!です。
特に発達障害の子、または診断がついていなくても発達に凸凹がある子たちは、小学校に上がるころには「自分はみんなと同じようにできない」と自信を失っていることがよくあります。「ほめてばかりだと、子どもに良くないんじゃないか」「天狗になるのでは」と心配する親御さんもいますが、そんなことはありませんよ。友だちも学校の先生も世間も厳しいので、親ぐらいはたっぷりほめましょう。
子どもの性格や年齢によって、こっそり認められる方が良かったり、抱きしめると喜ぶなど好きな褒め方が違います。いろいろと試してみて、その子にあった方法を見つけましょう。
■ステップ3 好ましくない行動から注目を外す
それに慣れてきたら、次は「好ましくない行動」への対応です。親はついイライラして小言を言ってしまいたくなりますが、何度も「寝る時間でしょ」と注意してもダメなら、子どもはやらなきゃいけないことを知っているのにできない状態かもしれません。それなら、好ましくない行動から注目を外して、好ましい行動が出てくるのを待ち、「自分でやめようとした」という行動が始まったらすぐにほめましょう。