日ハム・大田泰示の名を口にするファンが多かったのも面白い。大田は、5月23日時点で安打数56本とソフトバンク・今宮に並びリーグ1位の大活躍。「フォロースルーがかっこいい」「移籍してからホームランアーティストのような貫禄が出てきた」などの意見があった。昨年メジャーから日本へカムバックしたヤクルト・青木宣親には「毎年、バットの重さ、スタンスの広さなど、バッティングフォームを少しずつ変えて、試行錯誤しているのが職人のよう」「クネクネしたタイミングの取り方がけっこう好き」、同じくヤクルト・山田哲人には「ピッチャーが投げた瞬間、バットがピタッと止まるのが良い」などの意見があった。

 現役を引退している選手では、元広島の前田智徳、三冠王を3度獲得した落合博満、今年現役を引退したイチローの人気が高かった。前田と答え、今も草野球に熱中する40代の男性は、「前田は基本に忠実なバッティングフォーム。見習いたくて、野球中継を録画して、スロー再生にして勉強した」、イチローと答えた30代の男性は「打席に入ると、バットをスッとまっすぐ立てるしぐさは、野球をやっていた人なら一度は真似したでしょ?」、落合と答えた50代の男性は、「打ってほしい時に必ず打ってくれた。オーラがすごかった」などと答えた。

 そして、意外と多くの人が名前をあげていた選手が中日、横浜などで活躍した種田仁。「ガニ股打法」という個性的なバッティングフォームだっただけに、この結果には驚いた。「基本に忠実じゃないのに、あれだけ打てるってすごい」「一度見たら忘れられない」「バッティングフォームと聞いて、最初に種田が浮かんだ」などの意見があがった。最も印象に残ったのは「昔のほうが個性的な打ち方をする選手が多かった。今の野球は、全部データ。こういうスイングをすれば、こういう打球が飛びやすいとか、ある程度方法論みたいなものが確率されてきているので、みんな特徴がなくなってきている。だから、最近のバッターは面白くない」と種田の特徴的なバッティングフォームを絶賛していた30代男性の意見だった。ちなみに種田は、横浜ベイスターズ在籍6年で打率3割を2度も記録している。

 そのほか現役では、DeNA・筒香嘉智、阪神・糸井嘉男、ヤクルト・バレンティン、巨人・阿部慎之助、ロッテ・角中勝也、引退した選手では、中村紀洋、小笠原道大、小久保裕紀、カブレラ、ローズなどもあがった。数少ないデータではあるが、不思議と右打者よりも左打者のほうが好まれる傾向にあるようだ。

 時代は、平成を終え、令和へと突入した。これから先も私達野球ファンをあっと驚かせてくれるバッティングフォームが生まれることを期待したい。(AERA dot.編集部・岡本直也)

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