私の2018年のAmazonへの注文件数は227件。70~80%は書籍だと思いますが、それ以外の物品もよく買います。書籍以外で買うのは、日用品か、どこに売っているのか分からない品々です。
日用品の代表は、プリンターのインクです。ほぼAmazon以外では買わない。「どこに売っているのか分からないもの」では「小型マイクのマイク用風防スポンジ」「マイクボルト用のアダプター」「折りたためるステッキチェアー」「電磁波測定器」などがあります。
繰り返しAmazonで購入していて思うのは、私は「品物を買う」と同時に「時間を買っている」ということです。
たとえば必要なときは簡易的なイスに変わる「折りたためるステッキチェアー」。これは腰の悪い母が買い物などで外出したときに必要だと購入しましたが、リアル店舗では、一体どこに売っているのかさえ見当がつきません。ましてやより良いものを買いたい、安く買いたい、と思っているときに、そのすべてを自宅に居ながらクリックで済ませられるAmazonは、便利この上なく感じてしまいます。
実店舗で購入しようと思ったら、最低でも3、4時間を費やし、比較も限定され、そのお店にあるものを購入するでしょう。そして、やや不便な思いとともに、そのステッキチェアーを持ち帰るはずです。忙しい現代人にとって、こうした時間のロスはばかにできません。その累積を時給換算するとAmazonは、かなり安いと感じます。
■Amazonでの購入体験が奪っているのは「偶然の体験」
では逆に、Amazonの購入体験のデメリットは何でしょう?
Amazonは書籍を買うとき、必ずリコメンド機能で「よく一緒に購入されている商品」「おすすめ商品と人気商品」「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」という3つの形で、他の書籍を提示します。
これはAmazon側から見るとクロスセル(関連する商品やサービスを販売すること)をはかっているのですが、私たち購入者側から見ると、偶然の出会いを仕組み化していると言えます。しかし、Amazonは、その偶然の出会いの幅がかなり狭い。ビジネス書をメインに買う私が、漫画本やタレント本、主婦向けの本に出合う可能性は少なくなります。