「ネオギャル」として人気を集める植野有砂さんは、高い英語力を武器に、アーティストとしてアメリカにも進出している。海外留学の経験がない植野さんは、どうやって英語力を身につけたのか。「AERA English 2019 Spring & Summer」(朝日新聞出版)のインタビューに答えた。
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2018年、米ビルボードのシングル・チャートでホット100に入ったソフィー・タッカーの人気曲「ベスト・フレンド」。この曲に参加して、彼らと歌っているのがアーティストの植野有砂さんだ。
「オーストラリア人のマネジャー経由でいただいたお仕事でした。英語が話せなかったら外国人のマネジャーをつけることもなかった。英語ができたからこそ今の自分がある」
曲はiPhone Xのコマーシャルや映画「オーシャンズ8」にも使われ、収録されたアルバムは今年のグラミー賞にノミネートされた。
「アーティストとの間に通訳が入っていたら、『また一緒にやろう』という“おかわり”はないですよね。自分で直接話さないと、相手としっかりつながれない」
■海外セレブに憧れて日本で英語を学ぶ
植野さんは、クラブDJ やファッション雑誌のモデルとしても活躍。アパレルブランドのプロデュースも手がけ、独特のセンスやカルチャーを発信し続けている。自在に英語を使いこなすが、海外に住んだ経験はなく、英語は日本で勉強した。
「絶対話せるようになりたかった。できることは全部やりました」
きっかけは小学5年の時、家族で行ったジャネット・ジャクソンのコンサートだった。それからMTVに夢中になり、デスティニーズ・チャイルドやパリス・ヒルトンに憧れた。中学、高校では「英語の授業は特に真面目に受けた」と言う。そして高校2 年の秋から英語を専門的に学べる予備校に通い始めた。
「毎週テストがあって、クリアするまで帰れないんです。モデルを始めて雑誌にも出ていましたが、勉強を優先させました」