こうした状況に、清美さんは「女性は産んだら辞めろと言われているみたい。団塊世代が退職しても、正規で雇用されるのは新卒ばかり。就職氷河期世代はいらない世代なのだろうか」と思わずにいられない。
こうした女性の「中年フリーター」問題は、結婚が隠れみのになってなかなか表面化しない。総務省の「就業構造基本調査」(2017年)によれば、35~54歳の中年層の非正規雇用の女性のうち、扶養範囲に入るための「就業調整していない」という数は、414万人に上る。妊娠や出産を機にあっさりとクビになることもあり、不安定雇用のボリュームは厚いのではないか。
地方公務員は現在、約273万人いるが正職員は年々減っており、決して安定した雇用とは言えなくなってきている。非正規化が進み2012年と16年を比べると全体で7.4%増となる。臨時・非常勤職員全体の約4分の3を女性が占めている。このなかに、清美さんのように若いうちに臨時職員として働き、何年も契約が更新されるうちに出産を迎える女性も少なくないはずだ。産後8週で職場復帰できずに職を失うケースもあり、地方公務員の非正規雇用と育児休業のあり方が問われる。(ジャーナリスト・小林美希)