1年365日のうち7割以上を赤字で示される“休日”が埋め尽くす「世界の祝祭日カレンダー」なるものが登場し話題だ。
2月を見てみると、2週目からはモザンビークの英雄の日、メキシコの憲法記念日、ベトナムの旧正月・テトやニュージーランドのワイタンギ条約記念日、中国の旧正月・春節などで10日連続の休み。その後も、米国のワシントン誕生日、タイやカンボジアの万仏節、バングラデシュのベンガル語国語化運動記念日、ロシアの祖国防衛の日、フィリピンのエドゥサ革命の日など、赤い数字が続く。
ページ上下には毎月こんなキャッチコピーも。
「今月も世界は休んでいる」
「あなたも休もう、2019」
どうして休日ばかりのカレンダーを作ったのか? 開発者である博報堂行動デザイン研究所所長、國田圭作さんはこう話す。
「いま多くの企業が働き方改革を進めていますが、日本の職場はまだまだ休みにくいのが現状です。本来、有給休暇は理由を問わないものですが、体調不良や通院、子どものインフルエンザなど何かと理由を付けて休む方が多い。そうすると子どものいない人など、不平等感も出てしまいます。もっと気軽に、みんながいつでも休める社会にしたいと考え、たくさんの“理由”をカレンダーに書き入れてみました。これを見ているとちょっとハードルが下がりませんか?」
確かに、赤字がずらりと並ぶ視覚効果なのか、どの月にもゴールデンウイークや夏休み級の大型連休があるように見えて、ちょっとうれしい気持ちになるから不思議……。
現実はというと、日本が世界で冠たる「休まない国」になって久しい。しかもその実力は他の追随を許さないほど圧倒的だ。
旅行サイト、エクスペディア・ジャパンの国際比較調査(2018年)によると、日本の有給休暇取得率は50%で、世界19カ国のうち3年連続最下位。しかもワースト2位のオーストラリア(70%)、同3位のアメリカ(71%)を大きく引き離した。過去10年の推移を見ても、日本は最下位が8回、残る2回は下から2位というから、それだけブレない価値観が職場にはびこっているのだろう。