田村耕太郎さん
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指示を出すときにもリスペクトは大事(※イメージ写真)
指示を出すときにもリスペクトは大事(※イメージ写真)

「アホとは戦うな。時間の無駄である」と提唱する、元政治家であり、現在はシンガポール・リークアンユー政治大学院で教鞭を執る田村耕太郎さん。しかし、65万部を突破した著書『頭に来てもアホとは戦うな!』の読者からは、「それでも戦ってしまう……」と多くの悩みの声が寄せられているという。

 日々の仕事・暮らしの中で「アホ」に悩んでいるあなたに、ちょっとでも気持ちが楽になるヒントを田村さんが提案する連載「アホから解放される相談室」。今回は「すぐにピリつくアホになってしまう自分」について。

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【相談】 仕事ですぐピリつくアホになってしまいます。何か自分の意図と違うことがあったり、要求を通したかったり、不満がたまっていたりすると、すぐ高圧的な話し方になってしまうんです。同時に、相手が引いているのもわかります。

 そして、強めな発言をしたときは必ずあとで後悔します。こうした癖を直すにはどうしたらいいでしょうか? また、要求を通すときや不満を伝えるときのコツも、ぜひ教えてほしいです。

■大切なのは「リスペクト」を持つこと

 日本社会に足りないのはリスペクトです。

 日本人が言う礼儀正しさとは、海外から見たらよそよそしさに過ぎません。セクハラもパワハラも、そもそもの原因は相手に対するリスペクトのなさです。目下の部下や女性や外国人に対するリスペクトのなさは、日本社会は天下一品です。

 海外では、同じ組織ではもちろん、違う組織にいてももっとフレンドリーに関係を作ろうとします。しかし一流の人々はリスペクトを忘れません。

 話し方や態度、言葉遣い、これらすべてにリスペクトがあるかどうかはっきりわかります。海外の幼児教育では、先生も子供に対してリスペクトを持って接することが当たり前ですし、ペアレンティングと言って、家庭教育の中でも自分の子供にもリスペクトを持って接することが当たり前に求められています。

 私はこのリスペクトという言葉が非常に気に入っています。日本語で言うと「敬意」、これが一番近い言葉だと思います。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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