志田がすごい子役だったことは、一般教養(?)として知っていた。だから、花ちゃんも子役だったと認識した。それで「笑ってはいけない」であんなに堂々としていたのかー。そう 思った。
ドラマ「Mother」(2010年、日本テレビ系)で幼い芦田愛菜ちゃんに出会って以来、「子役」というものに目覚めた私である。花ちゃんをきちんと認識したのは味の素「Cook Do」のCM。回鍋肉をガンガン食べていて、オンエア当初はまだ10代前半だったようだが、すでに完成したというか大人っぽいというか、そういう顔だったのであまり「子役」と認識していなかった。反省。
反省しつつ「笑ってはいけない」→「羽鳥慎一モーニングショー」という流れで、「ハケン占い師アタル」を見ることにした。脚本は「家政婦のミタ」の遊川和彦で、「当たれば大きいけど、大外れも多々あり」な人だから、期待と不安半々で見始めた。そして、結論を言うならおもしろかった。
「働き方改革」を意識したお仕事ドラマだということは、あちこちで宣伝されていた。その通り、「定時に帰りましょう」と放送の流れるイベント会社が舞台。そこで働く人の悩みを解決していく的場中(まとば・あたる)を演じるのが花ちゃん。
前半は小澤征悦演じる社員(パワハラ男)、及川光博演じる部長(「上」しか見てない)が「いかにも業界っぽい」類型的な描かれ方で、つまらないドラマかもと思いながら見ていた。だが後半、的場が派遣社員から占い師にガラッと変わり、ぐっとおもしろくなった。
花ちゃんの2つの顔を使い分ける演技力。「働くのは初めて」と言いながら、実はすごく仕事のできる派遣社員・的場。「私の占い料は10万円だよ。でも、今日は特別」だから質問は3つだけと上から目線で言う占い師・アタル。それぞれの顔が切り離されるのでなく、繋がっている感じも与える。まだまだ謎があり、次回も見たくなる。
アタルは将来を言い当てるのでなく、心の奥底を見抜き、解決への糸口をビシッと言う。「遊川さん、うまいな」と思わせる流れと台詞。「笑いたくないなら笑わない、笑いたいときは思いっきり笑う」。そんなアタルの言葉が、何事にも自信のもてない入社3年目の女子社員を変える。