岩崎 それは僕も感じていました。手間やお金をかけず、ネット上のものを“拾って”きて、キュレーションサイトを作ると簡単にもうかると考える賢さはあるんでしょうね。ちなみに無断使用の請求をしても踏み倒そうとするのは、企業も個人も西高東低の傾向が強い(笑)。

有賀 あ、それ僕もそう感じてた(笑)。で、話を戻すと、優秀な無断使用者さんは、「拾ったものをきれいに整えて見せています」と誇らしげですらある。揚げ句の果てに、無断使用を指摘すると、こちらをクレーマー扱いする。クレームがこなければ問題ないという考えでいるんですよ。

三平 結局のところ利益を追求する企業や個人ですから、無断使用された人がみんな損害賠償請求するようになって利益構造が崩れたり、裁判ざたが増えたりすれば対策もするでしょうけど、数が少なければコストをかけて改善しようとはしないでしょうね。

佐々木 そうなると、一人でも多くの人たちが無断使用に対してアクションを起こしていかないと、状況は何も変わらないわけですね。

有賀 自分の写真が無断使用されていることに気づきはじめた約3年前は、相手に削除してもらうくらいで済ませていました。でも、それではいけないと思ったきっかけがあったんです。あるまとめサイトで僕が撮影したスペインのサグラダ・ファミリアの写真が無断使用されていたので、削除依頼をしました。後日、「削除しましたのでご確認ください」との連絡があり、サイトを確認したら、確かに僕の写真は削除されていたのですが、代わりに別の人が撮った写真に差し替えられていたんです。

佐々木 別の人の写真を無断使用しているだけで、著作権侵害をしていることには変わりがない。(笑)

有賀 そのとき、削除依頼だけではだめだと気づきました。僕はプロとして仕事をして写真を撮ったり、貸したりすることでお金をいただいているのだから、ちゃんと使用料を請求しなくてはいけないと思ったんです。イラストレーターや漫画家でも同じ。プロであれば、無断使用されたら即料金を請求すべきなんです。

岩崎 自分の著作物には著作権があるわけですから、プロアマ問わず、無断使用に気づいたときは行動に移すべきです。相手が匿名なら、任意の発信者情報の開示請求をしましょう。大したお金もかからないし、一度やってみれば意外に簡単なもの。相手にはプロバイダーから開示可否の通知が行くので、それだけでも精神的な圧力になります。

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現状は黙認!?