佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や「幼獣マメシバ」シリーズで芝二郎役など個性的な役で人気を集める。ツイッターの投稿をまとめた著書『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)のほか、96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がける
佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や「幼獣マメシバ」シリーズで芝二郎役など個性的な役で人気を集める。ツイッターの投稿をまとめた著書『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)のほか、96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がける
(写真:getty images)
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 個性派俳優、佐藤二朗さんが日々の仕事や生活の中で感じているジローイズムをお届けします。

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 明けましたねえ、年。2019年になってしまいました。ホント年々、時が過ぎるのを早く感じるようになるんですよねえ。体感的に言うと、1年が2週間くらいで過ぎ去ってしまった感じ。んなアホなという気もしますが、子どもの頃の感覚と比較するとホントそんな感じです。で、これは食い止めなきゃと思い、そのためには、日々を一生懸命生きるしかないと思い、なるべくそうするよう努めてはいるんですが、やはりなかなか食い止められない。むしろ早さは加速する。ひょっとしたら僕、まだまだ日々を必死に、力余すことなく生きられてないのかもしれないです。まあ難しいことではありますが。

 そんな僕、今年の5月で50歳になります。なんですか、50って。なにかの冗談ですか。なんでみんな、僕が50になるのを黙って見ていたのですか。指をくわえて見ていたのですか。止めなさいよ。誰か止めなさいよ僕が50になるの。だって精神年齢8歳の50歳なんて、なんていうか、もう、ドーンです。ズーンです。ボバーンです。ほうら、こんな50歳、イヤでしょう。ちょっ俺、ホント、どうしたらいいんだろう。

 役者という浮き草稼業は精神年齢の低さが時に武器になりうる……なんてことを言ってられなくなりました。50です。半世紀です。いくらなんでも、もう少し、ちゃんとしなければいけません。30になった時や40になった時とは何か別物の、なんというか、3や4と違って5は四捨五入したら繰り上がっちゃうんだぞ的な、ちょっと待って、何も考えずに書き進めておりますが、「四捨五入」って言葉がいけないんじゃないでしょうか。なんで四捨なんですか。なんで五入なんですか。やめて。五入しないで。五捨にして。五捨六入にして。さあいよいよ何を書いてるか分からなくなってきましたが、四捨五入に責任を押しつけてる場合ではありません。とにかく、50歳は、今まで通じていた色々なことが通じなくなる気がするのです。

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佐藤二朗

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佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家、映画監督。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や映画「幼獣マメシバ」シリーズの芝二郎役など個性的な役で人気を集める。著書にツイッターの投稿をまとめた『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)などがある。96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がけ、原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)がBD&DVD発売中。また、主演映画「さがす」が公開中。

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