平成最後のプロ野球シーズンも終わり、来季からは新元号となる。この30年間は日本人選手のメジャー移籍、逆指名制度の導入と撤廃、球界再編などさまざまな出来事があったが、一つの大きな区切りということで改めて平成のベストナインを選んでみたいと思う。投手は先発、中継ぎ、抑えの三人を選出した。まずはセ・リーグ編からお届けする。※所属はセ・リーグの球団在籍当時。
■先発投手
斎藤雅樹(巨人)
次点
山本昌(中日)
黒田博樹(広島)
勝利数でナンバーワンの数字を誇るのが山本で、通算219勝のうち214勝を平成の期間に稼いだ。3度の最多勝、数々の最年長記録を打ち立てるなどまさに“レジェンド”にふさわしい存在だ。選手寿命が延びているとはいえ、50歳まで現役を続けられる選手は今後出てくる可能性は低いだろう。
山本とともに平成の期間で200勝(日米通算)をマークしたのが黒田である。タイトルこそ最多勝1回、最優秀防御率1回にとどまっているが、20年間のプロ生活で13回の二桁勝利は見事というほかない。
そんな二人の名球会投手を抑えて選出したのが斎藤だ。最多勝5回、最優秀防御率3回、沢村賞3回など数々のタイトルを獲得しており、その実績はまさに「平成の大エース」と呼ばれるにふさわしいものがある。1989年(平成元年)に打ち立てた11試合連続完投勝利は不滅の大記録であり、通算勝率.652は2000投球回以上の中で、歴代3位という『負けない投手』だった点も評価したい。
■中継ぎ投手
山口鉄也(巨人)
次点
浅尾拓也(中日)
プロ野球史上初となる200ホールドを達成し、歴代2位の通算273ホールドを誇る山口を選出した。育成選手出身ながらプロ入り3年目から9年連続60試合以上に登板。3度の最優秀中継ぎ投手に輝くなどチームにとって欠かせない存在だった。長い巨人の歴史の中でもその安定感は指折りと言えるだろう。
次点は浅尾。2010年(平成22年)に日本記録となる47ホールドをマークし、翌年も45ホールド、防御率0.41という圧倒的な成績で中継ぎ投手としては初となるシーズンMVPも受賞。全盛期は長くなかったが、その輝きは今でも色あせることはない。