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飯島愛さん(写真/小暮誠)

 タレントの飯島愛さんが2008年12月に亡くなって、ちょうど10年が経つ。歯に衣着せぬ物言いが老若男女を問わず人気となり、テレビ番組に多数出演したが、そんな最中の07年3月、芸能界を電撃的に引退。08年12月24日、飯島さんは都内の自宅マンションで遺体となって発見された。死亡したのは6~7日前の12月17、18日とされ、病死だったという。

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 突如訪れた、飯島さんのミステリアスな死。当時、死亡日時や死因の曖昧さからメディアも連日のように取り上げ、憶測が飛び交った。

 飯島さんは人気絶頂だった01年から03年までの約2年の間、「週刊朝日」で連載を持っていた。連載タイトルは、ズバリ「飯島愛の錦糸町風印税生活」。のちに『生病検査薬≒性病検査薬』(朝日新聞社)のタイトルで書籍化された。本書の書き出しには「飯島愛 三十歳。欲求不満です」と綴られているものの、コラムを通じて訴えていたのは、当時あまりオープンにされることのなかった「性感染症予防」だった。

 あれから10年。AERAdot.では、連載中から亡くなる間際まで飯島さんと付き合いがあった担当編集者・福光恵が、交流のあったタレントや芸能関係者、医師らをあらためて取材。夭折した飯島さんの知られざるエピソードを、自らの体験などを交え掘り起こした。第1回は、飯島さんをやさしく見守り続けた、ご両親の想いだ。

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「実家に芸能界のお友達を連れてきたこともあったんですよ。でも、いくら私たちがお上がりくださいと言っても『絶対ダメ』と上がらせなかった。親に小さいときの話などをされるのが、いやだったのではないですか(笑)」

 そう話すのは、元タレントで2008年に亡くなった飯島愛さんのお父さんだ。

「ちょっとフクミツ、やめてくんな~い」

 口は悪いが、けっこうな照れ屋だった飯島さんの、そんな声が聞こえてきそう。でも36歳の若さで亡くなって、今年でちょうど10年。「もうそろそろいいよね」と独りごちながら、東京都江東区の実家でご両親の話を聞いた。

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中学生ごろから家出を繰り返し…