この記事の写真をすべて見る
九州山地の中央部、宮崎県高千穂町にある民家で、この家に住む飯干保生さん(72)の家族ら6人の遺体が見つかった。
パワースポットと注目される高千穂の山間の集落に親子3世代で暮す飯干さん一家に起こった凶行に地元の人は驚くばかりだ。
「急に無線で『刃物を持った犯人が事件を起こした、戸締り、カギをかけてと放送されて、いったい何があったのかと思った。それが、殺人事件だとわかり、ただ驚くばかり」
事件現場から見つかった遺体は、飯干さんと妻の実穂子さん(66)、次男の昌大さん(42)の妻の美紀子さん(41)、昌大さんの長男の拓海さん(21)、長女の唯(ゆい)さん(7)と発表した。もう一人の男性の遺体は昌大さんの知人とされる。
いずれも、ナタのような鋭利な刃物で刺されて亡くなったとみられ、「現場は遺体が折り重なり、血の海という状況。見るも無残な状況です」(捜査関係者)
だが、そこに姿がなかったのが、同居する飯干さんの次男、昌大さんだ。宮崎県警の捜査の中、自宅から15分の場所にある高千穂町の中心部で昌大さんの車が見つかり、近くの橋の下から男性の遺体が発見された。
「状況から、昌大さんが橋から飛び降りたと思われる」(前出の捜査関係者)
近所の人はこう話す。
「飯干さん宅は長く林業、農業で生計を立てていた。地元ではよくある農家。いつも、飯干さんは農家の仕事に出かけ、温かいごく普通の家庭です」(近所の人)
だが数カ月前から、一家ではトラブルが起こっていたという。
飯干家と付き合いのある住民はこう言う。
「昌大さんはおとなしい人物で外に仕事にいっていたようだが、いずれも長続きしなかった。昌大さんと妻の美紀子さんが不倫など夫婦関係でもめてもおり、近所に住む昌大さんの知人男性がここ数カ月間、仲裁していたらしい。それでトラブルになったのではないか。昌大さんが6人を殺し、飛び降り自殺した可能性が強い」
橋の下で見つかった昌大さんとされる遺体は今日、引き上げられる予定だという。