片山さつきさんが大変そうだ。
「2人分も3人分もある存在感で女性活躍の旗を揚げてもらいたい」と初入閣、1カ月も経たずに財務省への口利き疑惑が報じられた。報じた週刊文春を名誉毀損で訴え、以後は何を聞かれても「訴訟進行の関係があるので、裁判外での説明は控える」でやり過ごす作戦に出ている。
作戦の成否を語る力量はないが、ずっと気になっていた片山さんの話があり、それを書かせていただく。
総裁選後の安倍内閣を「全員野球内閣」でなく「全員補欠内閣」と評する人がいたが、確かにいつものメンバー以外は知らない人ばかりだった。だからテレビ局は、唯一の例外の片山さんを熱心に追いかけていた。
内閣発足前日の夜のニュースにも、議員会館の片山さんが映っていた。認証式に着るというドレス候補が2着あり、水色っぽいのと黒っぽいのだったが、どちらにするつもりかと記者が尋ねていた。
お好きにどうぞ。と思っていたのだが、返事を聞いてびっくりした。片山さん、こう言ったのだ。
「さー、二階先生か〇〇先生が、選んでくださるでしょ」
〇〇先生が誰だったか聞き取れなかったが、それはどうでもいい。問題は、着る服を他人に選ばせるということだ。二階俊博・自民党幹事長は派閥の長。所属部署のトップに、服を選んでもらうということだ。ありえない。
彼女の一学年下で(あ、大学は違いますよ、まるで)「働く女子」を長くしてきた者として、がっかりだった。別に期待していたわけではないが、ガクッとなった。あなたは、何のために働いているのですか? そう思った。
そもそも派閥に加わるのは、何のためか。得するためだろう。得とは何か。多分、お金と選挙と出世だ。それらの得をたくさんつかむために、トップに気に入っていただく。それも一つの方法だろう。気に入っていただいたから、片山さんは出世した。初入閣という得にあずかった。そこまではいい。