シルバーのギラギラのドレスで官邸に現れた片山さつき地方創生担当相
シルバーのギラギラのドレスで官邸に現れた片山さつき地方創生担当相
矢部万紀子(やべまきこ)1961年三重県生まれ、横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』
矢部万紀子(やべまきこ)1961年三重県生まれ、横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』

 片山さつきさんが大変そうだ。

「2人分も3人分もある存在感で女性活躍の旗を揚げてもらいたい」と初入閣、1カ月も経たずに財務省への口利き疑惑が報じられた。報じた週刊文春を名誉毀損で訴え、以後は何を聞かれても「訴訟進行の関係があるので、裁判外での説明は控える」でやり過ごす作戦に出ている。

 作戦の成否を語る力量はないが、ずっと気になっていた片山さんの話があり、それを書かせていただく。

 総裁選後の安倍内閣を「全員野球内閣」でなく「全員補欠内閣」と評する人がいたが、確かにいつものメンバー以外は知らない人ばかりだった。だからテレビ局は、唯一の例外の片山さんを熱心に追いかけていた。

 内閣発足前日の夜のニュースにも、議員会館の片山さんが映っていた。認証式に着るというドレス候補が2着あり、水色っぽいのと黒っぽいのだったが、どちらにするつもりかと記者が尋ねていた。

 お好きにどうぞ。と思っていたのだが、返事を聞いてびっくりした。片山さん、こう言ったのだ。

「さー、二階先生か〇〇先生が、選んでくださるでしょ」

 〇〇先生が誰だったか聞き取れなかったが、それはどうでもいい。問題は、着る服を他人に選ばせるということだ。二階俊博・自民党幹事長は派閥の長。所属部署のトップに、服を選んでもらうということだ。ありえない。

 彼女の一学年下で(あ、大学は違いますよ、まるで)「働く女子」を長くしてきた者として、がっかりだった。別に期待していたわけではないが、ガクッとなった。あなたは、何のために働いているのですか? そう思った。

 そもそも派閥に加わるのは、何のためか。得するためだろう。得とは何か。多分、お金と選挙と出世だ。それらの得をたくさんつかむために、トップに気に入っていただく。それも一つの方法だろう。気に入っていただいたから、片山さんは出世した。初入閣という得にあずかった。そこまではいい。

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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派閥に入ったのは何のため?