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10月2日に安倍改造内閣が発足し「自民党一強」が続く。ほとんどの世論調査で「支持政党なし」が最多を占め、野党各党は低迷。森友・加計問題や、財務省による公文書改ざんなど行政への信頼を揺るがす事態が立て続けに起きても、安倍自民党に代わりうる野党がないと有権者はみている。
強い野党がなければ日本は腐る。政権与党の驕りに歯止めをかけられない「野党の弱さ」が今の政治の根本問題――近著『政権奪取論 強い野党の作り方』(朝日新書)で断じるのは橋下徹・前大阪市長。ツイッターのフォロワー数が200万人を超える橋下氏は野党に対し、きれいごとの言説ではなく「正しい炎上」で支持を広げるべきと説く。ではその手法とは?
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野党にとって今一番重要なことは、有権者への発信だ。
かつては、数多くの有権者にメッセージを届けるためには、新聞やテレビなどの大手マスメディアを活用するしかなかった。逆から言えば、大手メディアにとってメッセージ・情報の発信を独占できるというのは最大の既得権益になっていた。
民主主義には、権力の監視者としてメディアの存在が欠かせないが、その役割をまっとうするには、必要な情報を正確に国民に届けるメディアであらねばならない。ただ、僕はテレビなどでも仕事をしてきた中で、現代の大手メディアがその役割を果たせているのか、ずっと疑問に感じていた。
そこで始めたのが、ツイッターだった。僕は当初ツイッターに興味がなかったが、大阪維新の会の議員の勧めで、メディアに反論、文句を言うツールとして使ってみることにした。
最初は正直、めんどうだったし、それだけの武器になるとは思ってはいなかった。100人でも、200人でも見てくれる人がいればいいかという程度に軽く考えていた。しかし使っていくにつれ、ツイッターのメリットがわかってきた。メディアを通じてのメッセージは、ほぼ編集されてしまうものだが、メディアによる編集抜きにダイレクトにメッセージを発信できるのは本当にありがたい。また、メディアの報じ方がおかしかったり、誤解を招くような切り取り方をされたりしても、すぐにツイッターで指摘できる。