「インスタグラムユーザーの20%が毎日何かしらの検索をして、情報を取りに行っています。特に、ハッシュタグ検索でいうと日本はグローバルの3倍以上検索している。本国のアメリカで、日本のユーザーの使い方が最先端かもしれないという声もあるんです」

 インスタグラム広報の市村怜子さんは、そう説明する。

「ニールセン デジタル・コンシューマー・データベース2018」によると、16―19歳のインターネット利用者の77%がツイッターで、50%がインスタグラムでタグっている。国内で利用者数が多いSNSを中心に、コミュニケーション性の高さにつながる訪問時間とハッシュタグなどによる検索性を軸に図にまとめた。約5年間でユーザー数が増えている、いわば勢いのあるSNSは「検索性」が高いインスタやツイッターであることもわかる。言い換えれば「つながる」だけではない「見つける」が重視されたSNSこそ、市場で勝ち抜いているのだ。

 インフルエンサーとして若い女性から絶大な支持を受けているHKT48の元メンバー「ゆうこす」こと菅本裕子さん(25)もタグ検索をフル活用している。

「韓国に行く前に気温を調べたらマイナス7度なことはわかったけど、どのくらい寒いのかがわからない。『ソウル』でハッシュタグ検索すると、いまソウルにいる人の最新情報が見られるので、『これくらい着込まないとまずいんだ!』ということがわかるんです」(ゆうこすさん)

 また、ツイッターとインスタグラムでは、タグの性質が少し異なるとゆうこすさんは指摘する。

「ツイッターはハッシュタグも文字数にカウントされるため、たくさんつけられません。人気のタグを使ってみんなでつながるという意識があると思います。一方、インスタには“自分で探しに行く”という感覚があります」(ゆうこすさん)

 ツイッター社も検索性に注目している。

「日本はツイッターにとって2番目に大きい市場です。グローバルではセレブの動向を追いかけるツールとして使う人が多いのに対し、日本は電車の遅延情報を検索したり、『○○好きな人とつながりたい』といったハッシュタグが人気だったりとグローバルでは見られない独自の使い方をしています」(同社広報担当・石井佑莉奈さん)

(編集部・福井しほ)

AERA 2019年6月10日号より抜粋

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福井しほ

福井しほ

大阪生まれ、大阪育ち。

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